2009年10月28日

BRUTUS & BLUE HEARTS


 
雑誌ブルータスの最新号の特集は、美しい言葉。今流行りのTwitter、赤塚不二夫や忌野清志郎などが記憶に新しい哀悼の言葉や辞世の言葉、さらに流行歌の歌詞から文学作品まで、さまざまなところから、美しい言葉を集めた力の入った内容になっています。
 
その中で、思わずぐっときてしまったのが甲本ヒロトの歌詞を集めた見開きページ。先日書いたように、最近ストーンローゼズをよく聴いていて、頭はすっかり80年代末モード。そんな頭に、このブルーハーツの歌詞の羅列はぴったりはまってしまいました。電車の中でページをめくりながら思わず目がウルウルしてしまいました。
 
まだ10代だった時のブルーハーツの新譜CDが発売された日を思い出します。
 
バンド仲間の友人と2人、学生協の売場に並んだばかりのCDを買い、部室の練習スタジオの脇でドキドキしながらCDウォークマンにセット。イヤフォンを2人で片方ずつわけて耳にあててプレイボタンを押す。

イントロが鳴ると、いいね~、という感じでお互い目を合わせるんだけど、曲が進むと思わず2人ともそっぽを向きはじめる。さらに、咳き込んだり、うつむいたりする。目に涙が溜まり、今にもこぼれそうになるのを必死で堪えてるのです。1曲目が終わると、そのまま聴き続けることが出来ず、お互いにひとりなってから聴くことにする。そして、思う存分涙を流す。
 
僕達にとってブルーハーツとは、そういうバンドだったのです。あまりに直球でストレートの歌を受け止めようと思うと、グローブでキャッチすることなど出来ず、ドカベンに出てくる豪速球投手土門剛介のキャッチャー谷津のように、お腹にぶち当てて痛みを感じながら受け止めるしかないのです。
 
素直でやさしく、正直で剥き出しの青臭い言葉。すべての人達に美しさがあり、自分を貫き通すことを肯定する歌は、たくさんの勇気と自信を与えてくれました。ここだけの話、今でもたまに打ちのめされてぐだぐだになってしまうような事があるんだけど、そんな時は、ブルーハーツが必要だったりします。