2010年2月 1日

紙とコンピューター


 
アップルの新しいプロダクト<iPad>が発表されました。

いつも思うのが、その情報リリースの上手さ。イベントで、CEOのスティーブ・ジョブズ氏自らが新製品を楽しそうに操りながらその魅力やスペックを誇らしげに発表していく。その情報は、世界中の一般ユーザーもプレス関係者も同時に与えられます。そのためネット上で、このイベントと同時にニュースサイトから個人ブログや掲示板まで、さまざまなところに製品情報が書き込まれていきます。
 
もちろん、話題になるのは、アップルが私たちに驚きを与える新しい提案をし続けていることが一番の理由ではありますが。今回もアップルのWEBサイト上で公開されているジョブズ氏のプレゼンを見てみました。それを見て一番感じたのが、コンピューターがより紙製品に近付いてきたということ。iPadのサイズは、ノートや手帳、本のサイズ。キーボードを廃し、指で直感的に動かすことはiPhoneですっかり定着しました。
 
ニューヨークタイムズやTIME誌のサイトの見やすさをアピールしたり、グーグルマップはガイドブックの地図のサイズで見るこができたり、iBooksで本を購入したり、読んだりすることなどがジョブズ氏のプレゼンでアピールされていました。
 
このiPadが浸透すると、新聞、雑誌、地図や本のデジタル化を加速させていくことになると思います。スケジュール管理やメモ、日記を書くなどは、もう既にかなり浸透しています。もちろん、そのことで紙の本や雑誌、ノートや手帳がすべてなくなったりしないと思いますが、ただ、紙であることの意義を今まで以上に問われるようになるのは間違いないでしょう。
 
アナログだからできる便利な使い方や心地よさ。紙の素材感、それがカタチになって現れる佇まい。使うことで味が出たり、変化していくこと。紙製品を作る私たちは、その紙の良さを今まで以上に伝える努力をする必要があるのかもしれません。