揺れる
仙台から東京に引っ越して最初に住んだのは、亀戸にある築20年以上の2Kの古いアパート。3階建ての2階なんだけど、1階は駐車場で、細い鉄筋で支えられた高床式住居のような構造でした。そのせいで、けっこう揺れやすく、テレビのニュースにもならないような小さな地震でも揺れを感じることができたし、大型のトラックが通った時にも、ぐらっとした揺れを感じました。
最初のうちは、揺れるたびにびくっとしていたのですが、そのうち慣れてきてしまい、いつも頭のなかで微妙な揺れをなんとなく感じていているようで、ちょっとの揺れでは、特別驚いたりすることもなくなりました。不安定な構造ではあるけど、つい最近できた建物ではないし、そんな簡単には倒れたりはしないものだしなあ~なんて思えるようになったのです。
一昨日、久しぶりに突然、風邪をひいてしまいました。急にぼーっとして頭がぐらぐら揺れているような気分になり、ふと思い出したのが、亀戸のアパートのこと。熱がでたときに頭がぐらぐらする感じと、建物自体の微妙な揺れを感じたときの気分は似ているんですね。どちらも不安定で落ち着かない感じ。
まあでも、そんな簡単には倒れたりしないはず。とか思っていたら、それほど年齢も変わらない知り合いの方が脳溢血で突然倒れたというニュースが聞こえてきました。幸いその方は快方に向かっていますが、つくづく健康は大切だなと思ってしまいました。ちなみに、私の風邪は2日後にはすっかり回復しました。
考えてみると、人間の体も細い鉄筋の微妙なバランスで建っている亀戸のアパートのようなものなのかもしれませんね。意外と倒れないと思っていても、経年劣化や予想外の大きな揺れがあったりすると、あっけなく壊れてしまう危険もあるのかも。たまには柱の補強なども必要なのかもしれません。
まだまだ旅は続きます。師走になり慌ただしくなりますが、皆様もお体は大切に。
上の写真はそのアパートではありませんが、なかなか微妙なバランスで建っているようです。そんなあやうさも危険でなければ、美しく魅力的だったりもします。