2011年5月30日

旅先でお買い物


 
はじめての海外へ旅でインドに行った時、たくさんのお土産を買ってきました。ヒンズー教の神様が印刷されたカードや神様を形どった木彫りの人形、エスニックなデザインのストールやシャツ、ブレスレットやネックレスなどのアクセサリー、ビディーと呼ばれる安い葉巻タバコ・・・。どれも旧市街のマーケットや屋台で売っている粗悪品ばかりでしたが、物価も安いし、混沌とした市場を歩きながら値切り交渉をして買い物をするのは楽しい時間でした。
 
日本に持って帰ってからあらためてそのお土産を見てみるとやっぱり安物然としていて、使いようもない駄物ばかりで、友人に配ってもたいして喜ばれなかった記憶があります。当時付き合っていた女の子には、神様の人形をあげようとしたのですが、気持ち悪がって貰ってくれませんでした。ちょっと稚拙な作りや派手な彩色が味があってかわいいのになあ、なんてその時はがっかりしたのを覚えていますが、今思えば宗教的なものをお土産にするなんてセンスがないですよね。でも、今でも海外へ行くと、ちょっと変わったものや、くだらないものをよく買ったりします。
 
J・J氏こと植草甚一氏がニューヨークを旅したときの日記を読んでいたら、彼の買い物の仕方が大胆で面白い。古本屋巡りが好きな彼は、約4ヶ月間のニューヨーク滞在中、普通の観光はまったくせず、毎日、本屋巡りをして過ごします。行きつけの本屋に通い何時間も棚をあさって一日に20~30冊も本を買っていく。その合間にアンティークショップやアクセサリーショップを覗いて、友人へのお土産にちょっと変わったアクセサリーや時計などを買ったりしています。ホテルの部屋は何百冊もの本でいっぱいになって、夜はその整理に追われたりします。
 
そこまではいかなくても、旅先でお店を覗きながら歩いて、面白そうなものを探すのは、楽しいひとときです。そして、日常生活で普通に使っていたり、身の回りに置いてあるもののなかに、旅先で手に入れたものが少しずつ増えていくのもまた楽しいのですよね。特別な思い出や思い入れが込められたものに囲まれるだけで、毎日の暮らしが楽しくなるような気がします。
 
 

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