2012年3月16日

モーニング


 
もともと寝起きが良いほうではないのですが、春が近付いているせいか、最近いちだんと目覚めが悪い。ぎりぎりまで寝て、いよいよまずいという段階で踏ん張ってやっと起きる。急いで顔を洗って、頭がボーッとして重苦しい状態で、朝食を食べる。なので、食欲も味わうゆとりもなく流し込むように食べます。
 
たまに起きてから1時間くらいして、すっきりした頭で朝食を食べることがあると、なんて美味しいんだろうって思うことがあります。そんなときは、朝食の後も気分が清々しく、豊かな気持ちで1日の始まりをむかえることができます。
 
先日の大阪出張で朝食を食べたのは、昔ながらの小さな喫茶店のモーニングセット。ホテルを出て駅まで歩く途中、朝のひんやりした空気を吸い込んで、お腹がすいてきたなあと思っていたときにコーヒーの香りに誘われてそのお店に入りました。
 
古い建物の重い扉を開けると、さらに深まるコーヒーの香りとともにクラシック音楽が控えめの音量で聴こえてくる。何人かいるお客さんは、みんなひとりでコーヒーを飲みながら、静かに備え付けの朝刊を読んでいたりする。
 
モーニングを頼んで出てきたのは、狐色に焼いた厚切りのトースト、小さいコップに入ったオレンジジュース、少しだけ野菜が添えられた目玉焼き、そして、コーヒー。まずは、オレンジジュースをぐいっと一気に飲み干して、とけたバターが黄金色にキラキラ光るトーストを一口かじる。外はカリッとしていて、中身はしっとりして美味しい。絶妙な焼き加減の目玉焼きと少し濃いめにいれたコーヒー。ゆっくり味わい、お腹が満たされてくると自然と笑顔になって、幸せな気分になりました。
 
ゆったりした気持ちで食べるモーニング。たまには早起きして、食べてみようかな。世界には、簡単に幸せになれる方法がたくさんあるようです。