2013年4月15日

BRANIFF INTERNATIONAL TRAVELER'S FACTORY

20130415a.jpg
 
ブラニフトラベラーズファクトリーの情報をトラベラーズファクトリーHPにアップしています。前にここで飛行機の企画が進行中ということを書きましたが、これがその企画です。

今回のコラボレーションは、あの伝説の航空会社、ブラニフ。その豊富で優れたデザインアーカイブをトラベラーズ流にリ・デザインできるということで、とても楽しく物作りをすることができました。

ブラニフについては、HPにも簡単に説明を載せていますが、調べるほど面白い航空会社なのです。その斬新なアイデアの数々は、1965年に広告代理店でブラニフの担当となったメアリー・ウェルズという女性が中心になり行われました。みんな同じ飛行機を使用し、ルートも自由に決められない航空会社、さらにその中で知名度もそれほど高くないブラニフの担当になった彼女が最初に考えたのは、ブラニフの飛行機の旅をもっと楽しくすることで差別化できないかということでした。今よりも飛行機の安全性の信頼度が低かった当時、各航空会社はその安全性を伝えることに重きをおいていました。それが逆に旅の楽しさを犠牲にしていると考えたのです。

そこで彼女は、ファッション広告の経験からCAがストリップのように次々とその服装を変化させていくというアイデアを思い付きます。そこで当時人気のあったイタリアのファッションデザイナー、エミリオ・プッチを呼び、さらに、その服装に相応しいよう、機内の内装をハーマン・ミラー社のテキスタイル担当デザイナー、アレキサンダー・ジラルドに依頼しました。

最も革新的だったのは、当時どこも同じ飛行機を使うことが必然で、差別化のしようがなかった機体自体に、カラフルなペイントをするというアイデアです。今では当たり前のこととなっていますが、これを初めて行ったのもブラニフです。

そして、彼女が担当になって最初のキャンペーン、「THE END OF THE PLAIN PLANE さよなら退屈な飛行機」が生まれました。空の旅を楽しんでもらいたいというこだわりは細部にも徹底されて、7色に塗り分けられた機体にあわせて、座席も模様を変え、さらに機内食の食器やスプーン、砂糖の包み紙までも7色にデザイン。合計で1万7543カ所も新しくなったそうです。

さらに彼女は、ブラニフの社長と結婚をして内部からブラニフをコントロールし、次々と革新的アイデアを実現していきます。 その後、航空自由化政策による競争激化や燃料の高騰などによりダメージを受け、1982年にブラニフは倒産してしまいますが、現在も伝説の航空会社として多くのファンに支持されています。
 
今回、私たちがブラニフとのコラボレーションアイテムを作る際に考えたのは、まだブラニフが存続していて、機内で搭乗客が退屈しないようなモノを配りたいから何か作ってほしいという依頼を受けたら・・・ということ。退屈しないためには、ノートが一番。旅の予定や思い出を記すだけで、楽しいですもんね。で、まずはノートをいろいろカスタマイズすることからはじめて欲しい。そのためのステッカーやチャーム、マスキングテープを用意。これだったら貼っても楽しいし、ちょっと残してお土産にしても嬉しい。旅に出ればお土産があるから、カードがあってもいいなあ。バッゲージタグ風にカードだったらしおりにもなるし。コレ自体がお土産になるし。書くためのペンだって必要で、カラフルな機体にあわせて色も変えたりして。で、ブラニフだったら、これらが素敵なバッグに入って配られるはず、ということでバッグも作らないと・・・。

ブラニフ・ファンでもあるデザイン担当のハシモトがこんな風にアイデアを広げてデザインをしました。今は現存しないからこそ、逆にその空の旅がどんな旅だったのか、想像力を刺激します。

こちらは、4月24日より伊勢丹新宿店2階の特設コーナーで先行発売した後に、4月27日よりトラベラーズファクトリー店舗で、さらに5月8日よりトラベラーズファクトリーオンラインショップで発売します。楽しみにしていただけると嬉しいです。
 
20130415b.jpg