2013年5月23日

お気に入りの万年筆とスタンプ

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トラベラーズファクトリーを立ち上げる際に、いろいろな方にお世話になったのですが、店舗運営の経験がない僕らに、長年の経験によって培われた様々なノウハウやヒントを惜しげもなく与えてくれた方が何人かいます。

その中の一人で、アメリカやヨーロッパからの輸入ステーショナリーや雑貨の先駆者的なショップを関西で立ち上げた、とても尊敬する方がいます。もう何ヶ月か前のことですが、その方がトラベラーズファクトリーに来てくれました。

20年前のショップを立ち上げ時の苦労話など興味深い話をたくさん聞かせてくれた後に、「あ、そうだ」と言いながら、革のペンケースから1本の万年筆を取り出しました。そして、「1960年頃のデッドストックの万年筆が手に入って今度お店で販売するんだけど・・・」と言いながら、嬉しそう見せてくれました。

それはパーカーが、1950〜60年代半ばまでの間に生産していた比較的安価な普及品で、高級万年筆特有のしなるような柔らかい書き心地や作りの贅沢さはないのですが、逆にその飾らない簡素な佇まいと、ほのかに感じるミッドセンチュリーの洗練されたデザインがとても魅力的な万年筆でした。

まさにその万年筆は、ショップのセンスを象徴しているようで、まるで少年のように嬉しそうに見せてくれる姿が、大切なのは、自分たちの感性や想いに忠実に、楽しくやることなんだと間接的に教えてくれているようでした。その後、その店で同じ万年筆が売られているのを見つけたときには、思わず購入していました。
 
お気に入りの万年筆が手に入ると、手紙を書くのが楽しくなります。カートリッジ式ではなく、吸引式なのも気分を盛り上げてくれます。ちょっと資料をお客様に送る際にも、万年筆で書いてみたりします。無地のクラフトのちょっとざらついた紙に、ざくざくと書く。正直に言うと、ぼくは、あまり字がうまくないのですが、手紙の最後にトラベラーズファクトリーの自分の名前が入ったスタンプを押すと、ちょっとだけ締まるような気がします。
 
こちらのスタンプは、オンラインショップでもご注文できるようになりましたので、ご興味のある方はぜひ。