2013年10月 7日

hello world

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コンピューター黎明期の頃、プログラミングを学ぶ時に一番最初に作るプログラムは、画面上に"hello world"という言葉を表示するのが一般的だったそうです。ほとんどの入門書では、このプログラムを最初の課題としていて、他の言葉でも何の問題もないはずなのに、hello worldと記すのが伝統となっていたそうです。まだインターネットが普及する前の、文字を単にディスプレイに表記する時からコンピューターを扱う人々の視点は世界に向いていたのは、今思うとなかなか面白い事実です。
 
最近、タグ・リカードやジョン・ラフマンなど、グーグルのストリートビューの映像を切り取って編集し作品を作る写真家がいるというのを雑誌の記事で読み、iPhoneにアプリをダウンロードし、久しぶりにストーリートビューを覗いてみました。数年前にはじめて見た時よりも、その範囲は広がっているようで、東京やニューヨークだけでなく、チェンマイの街並や津波で大きな被害を受けた仙台の海沿いの風景さえも見ることができました。少し驚きつつも、さらにアムステルダムやロンドンなど街を眺めながら、iPhoneを片手に一人で旅気分に浸っていました。
 
行かずにここまで見ることができてしまうことに対して賛否両論があるとは思いますが、それとは別にここまで作り込んだグーグルにあらためて敬意を評したいと思いました。遠い将来、このシステムを発見した歴史家はピラミッドや万里の長城と同じように、その途方もない時間と人の手をかけて作り上げる理由や方法に頭を悩ませるような気がします。
 
ネット企業の勝者で、最も大きなグローバル企業のひとつでもグーグルのビジネス戦略があってのシステムだと思いますが、このシステムを作る根本的な動機は、こんなことができたらいいなというドラえもん的な発想がはじまりのような気がします。hello worldという文字が最初に画面に現れた時の感動がそのまま今に繋がった形だと思うのはすこし単純すぎるのでしょうか。
 
さて、画面を通じた世界の旅もいいですが、近所を自転車で走るようなささやかな形であっても、やっぱり空気の匂いや人の温もりが感じられるリアルな世界での旅の方が面白いに決まっています。そんな旅にぴったりの素晴らしい自転車がもうすぐ出来上がります。私たちの手に届いたら、じっくり詳細を報告させていただきますので、こちらもお楽しみに!

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