2015年4月 6日

チェンマイのこと

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トラベラーズノートの革を作るチェンマイの工房のオーナー夫妻と知り合ったのは、12、3年前のこと。当時は、バンブーのバッグや木工の雑貨などを仕入れる仕事をしていて、定期的に訪れていたタイへの出張中に彼らの作ったものを見る機会がありました。
 
タイの革や手織りのコットンを使って作られたファイルやノートは、シンプルな中にさり気なくチェンマイの匂いを感じさせ、他によくあったオリエンタルな民芸品的なものとは違い、日常で使ってみたいな思わせる仕上がりがとても気に入りました。彼らはチェンマイの大学を卒業し、工房を立ち上げたばかりで、紳士的でありながらも熱くものを語るその人柄にも好感を持ちました。ただ、日本のものと比べると、品質や使い勝手に問題があり、すぐに仕事に繋げることにはならず、一緒にトラベラーズノートを作るまでにさらに数年の時間がかかりました。
 
日本製の品質の良いノートと組み合わせることで、その問題を解決し、トラベラーズノートの発売が決まった時には、ざっくりした荒削りな風合いが魅力の革の品質基準をどこまで求めていくのか、お互い苦労をしました。
 
あれから10年の時が経ち、当時は新婚だった彼らも、2人のお子さんを持つようになり、最初は古い民家を借りて作っていたトラベラーズノートも、今は彼らが自分たちで設計した素敵な工房で作られるようになりました。のんびりしたチェンマイの工房だから、納期が遅れたり、思いも寄らないトラブルに悩まされたことも何度もあります。
 
だけど、ものづくりの感性に共感できる部分が多く、トラベラーズノートの目指す世界にも理解があって、温かく愛すべき人柄の彼らとの仕事は、やっぱり楽しくて、きっとこれからも深く関わっていくんだなあと思っています。
 
さて、そんな彼らが日本に来ることになり、それにあわせてトラベラーズファクトリーで、何かイベントやりたいですねって話をしたら、ならば彼らもぼくらも大好きなカオソーイのイベントをやろうということになりました。ここでも何度か書きましたが、カオソーイはチェンマイ名物のカレーラーメンです。
 
うまくいくか若干不安もありますが、少しでも本場の味に近づけるよう素材や作り方にもこだわってくれています。また2階ではチェンマイの写真や絵を展示して少しでもその空気感も再現したいと思っています。4月11日(土)は、トラベラーズファクトリー中目黒へぜひ!

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