2016年1月19日

Blackstar

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デビット・ボウイといえば、どっちが先かは覚えていないけど『戦場のメリークリスマス』とレッツ・ダンスのヒットで知ったのが最初。『戦場のメリークリスマス』は、当時、僕らの世代にとってヒーローのような存在だった、坂本龍一とビートたけしが出演していたので、映画館まで見に行ったけど、中学年の少年にとってはちょっと退屈な映画だった。
 
レッツ・ダンスは、FMラジオで洋楽を聴くようになった頃にヒットしていたから、よく聴いていた。だけど、デビット・ボウイの音楽をもっと深く聴き込むようになったのはそれよりもう少し後のことで、ロックの歴史をたどっていくようになってからだった。
次から次へと変化するスタイルとともに様々なジャンルを呑み込んで作られていった70年代の名盤群は、すべてが素晴らしい。挑戦的で実験的、ヘンテコでデリケート、そして圧倒的に切なくて美しい、まさにロックのお手本のような音楽だ。
 
僕は、生きていく上での価値観の多くをロックから学んだんだけどデビット・ボウイから教えてもらったのは、美学を追求することだった。死の直前にリリースされたアルバムを聴いて、まるで全盛期のような実験性と緊張感に溢れた音楽に感動していた中で、その訃報を聞いて、もうそれからずっとデビット・ボウイばかり聴いている。
 
最後のアルバムには、その死を予期するようなメッセージが織り込まれている。彼にとっては、その死すらも美学に基づいたアート作品であり、完璧なロックンロールヒーローとして去っていった。そんなあまりにもかっこよすぎる彼の生き様を知ってアルバムを聴くと、ますます心に響き、深くずっしりとしみ込んでいく。もうしばらく彼の音楽ばかり聴く日々が続きそうだ。
 
話は全く変わるんだけど、今週末23日は、アアルトコーヒーの庄野さんと、京都のかもがわカフェの高山さんによるコーヒーのユニット喫茶「緑鳥」がトラベラーズファクトリー中目黒にやってきます。
 
二人の焙煎するコーヒー豆をブレンドしたコラボブレンド「green mild」が登場します。さらに、お二人によるコーヒー教室も開催します。教室では、それぞれのブレンド前の豆を飲み比べ、さらにブレンド後のコーヒーを飲んで、ブレンドのマジックを体験しながらコーヒーの淹れ方を知ることができるというちょっと今まではとは違うコーヒー教室になる予定です。さらに、かもがわカフェの高山さんにトラベラーズも寄稿しているアアルトさんのリトルプレス、Hemisphere の最新号も登場します。ただいま、絶賛予約受付中です!
 

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