2016年11月28日

New York, New York

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映画『ブルーに生まれついて』は、イーサン・ホーク演じるチェット・ベイカーがニューヨークの名門ジャズクラブ、バードランドで演奏をするシーンからはじまる。すでに西海岸では人気絶頂であった彼が、ニューヨークに進出し、ジャズの聖地で緊張した面持ちで演奏を行う姿が印象的に描かれている。そして、薬に溺れてシーンから消えた後、西海岸で演奏を重ね、復活のチャンスを掴もうと向かう先もまたニューヨークだった。
 
ビートルズが世界的なバンドになっていく過程をその時代背景とともに描いたドキュメンタリー映画『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK』では、熱狂的なファンが迎えるなかで、メンバーが興奮しながらパンナム機を降りて、ニューヨークのJFK空港に降り立つ姿が描かれている。イギリスの国民的なバンドから世界のビートルズへの移り変わりを感じさせる印象的なシーンだ。
 
最初にニューヨークのイメージを僕に印象付けたのは、子供の頃に見た『アメリカ横断ウルトラクイズ』かもしれない。「ニューヨークへ行きたいかー!」という掛け声とともに、後楽園球場をスタートをして、クイズをしながら、グアム、ハワイ、西海岸とニューヨークを目指して進んでいく。当時はまだ海外旅行は夢のようなことだったからアメリカの旅を疑似体験するように見ていた。最後の決勝戦がニューヨークのパンナムビルの屋上で、摩天楼を見下ろしながらヘリコプターで降り立つシーンを興奮しながら見ていたのを思い出すなあ。
 
ボブ・ディラン、ルー・リード、ラモーンズ、パティ・スミスに、テレビジョン。アンディ・ウォーホルに、キース・ヘリング。CBGB、ヴィレッジ・ヴァンガード、アポロ・シアターに、ブロードウェイ。グレート・ギャッツビー、ゴット・ファーザー、ライ麦畑でつかまえて。
 
やっぱりニューヨークって今も昔も何かを掴もうとする人たちが憧れて目指す特別な場所なんだ。もちろんそこで何かを掴むのは簡単ではないけど、あらゆる人たちにいつでも門戸を開き、可能性を与え続けている魅力的な都市で、世界中の人たちを魅了する何かが生まれ続けている。そのニューヨークで、しかもACE HOTELでもうすぐトラベラーズのイベントが開催されるなんて、なんだか夢のようだなあ。
 
今回、ACE HOTELとのコラボレーションでニューヨーク在住のイラストレーター、マイケル・ペローさんが描き起こしてくれた絵を使用したノートリフィルを作っている。味のあるタッチで、ミュージシャンや俳優をモデルにしたニューヨークを歩く人たちが描かれているのだけど、彼の絵を最初に見た時、まさにニューヨークだって思った。
 
ルー・リードの『ワイルドサイドを歩け』の世界のように、描かれているすべての人たちが、胸を張って覚悟とともに、自由に表現をして、自由に生きているのを感じた。大統領が変わっても、アメリカは今まで同様世界で最も自由を尊重する国であってほしいし、ニューヨークは世界中の人にチャンスを与えてくれる都市であってほしい。
 
トラベラーズノートは、だれもが自由にその人らしく使えるノートだと思うし、だからこそ、それがニューヨークでどんな風に受けとめてもらえるのか楽しみでしょうがない。

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