Trip Into The Wild with Olive Edition!
3月24日の発売に向けて、現在流山工場ではトラベラーズノート オリーブエディションの最終のセット作業の真っ最中。皆様のもとに旅立つ準備も佳境に入っている。
先月から、サンプルとしてできあがったオリーブエディションをいち早く使っているんだけど、なかなか良い感じ。いつも持ち歩くトラベラーズノートの色が変わるだけで、気分も変わるのが不思議だ。例えば、あたらしいジャケットを手に入れるときに、好みの色とか自分に似合うとか、そんなことを思って選ぶけど、同時に、それを着た時の気分やシーンを想像する。
ネイビーのジャケットだったら、夜のニューヨークの路地裏で、ポケットに手を突っ込んで歩いている姿だったり、キャメルカラーだったら、長距離バスを乗り継いでたどり着いた砂漠のオアシスを目的もなく歩き回っている姿だったり、オリーブだったら、朝もやに包まれた森の中のキャンプサイトでコーヒーを飲んでいる姿だったり、ふと頭にそんなイメージが浮かんでくることがある。それが現実的かどうかはあまり関係なくて、そんなシーンをイメージできると映画や小説の登場人物になったみたいでワクワクする。僕らは新しいジャケットを手に入れるとき、温かさや着心地、ファッション性などと同時に、そんな気分を手に入れている。
トラベラーズノート オリーブエディションを手にして浮かんだイメージは、Trip Into The Wild。ジョン・クラカワーの『荒野へ』を原作にした映画『Into The Wild』で、主人公が放浪の果てにたどり着いたアラスカを旅する姿だった。僕はアラスカにはまだ行ったことがないけど、かつて、アラスカを舞台にした野田知佑や星野道夫の本をわくわくしながら読んだ記憶が蘇ってきた。気高く美しく、優しさと温かさに満ちていながら、同時に厳しく冷酷な原生林の荒野を1冊のノートを手に歩く。オリーブエディションは、そんなイメージを頭に呼び起こしてくれた。
正直に言うと、トラベラーズノートの新しい色として、オリーブの色味を詰めていたときには、そんなイメージは浮かんでいなかった。ただ、トラベラーズノートらしい色という曖昧なイメージを追求しながら試作を繰り返して、やっと完成した時には、これでトラベラーズノートとしての理想的な色になったと自然に思えた。でも、こうやって形になったノートを手にして、ひとつの旅のイメージが頭に浮かんだ時、その時の思いが確信に変わった。僕はこのノートを手にしてまた新しい旅に向かいたいと思った。
でも、アラスカにはそう簡単には行けないから、まずは久しぶりに『荒野へ』を再読している。ルー・リードが『ワイルドサイドを歩け』と歌っているように、荒野はアラスカだけでなく、街にもあるし、日常のなかにもある。トラベラーズノート オリーブエディションを手にしたことで、善人未踏の荒野を歩く勇気がわいてくるような気がしている。
オリーブエディションと一緒に使ってみたいオリーブカラーの道具をいろいろ集めてみるとさらに気分は高まる。いつかこれらの道具とともに、ほんとうにアラスカの荒野を旅できたらいいな。
話変わって、3月17日~20日までトラベラーズファクトリーで春の恒例イベントBAG&SHIRTSを開催します。今年のテーマはカスタマイズということで、AIRROOM PRODUCTSさんは、ヴィンテージのボタンをいろいろ用意してくれます。例えば、袖のボタンを変えるだけで、気分も変わります。Ko'da-Styleさんは、トラベラーズノートの革でバッグに取り付けられるキーホルダーを作ってくれました。
暖かくなったらオリーブエディションとともに、出かけたいシャツとバッグを探しに、ぜひ遊びに来てください!