2017年7月 3日

What time are you now?

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トラベラーズファクトリーのスタッフが、お客さんから聞いたという話を教えてくれた。自分の年齢を3で割ると、一生を1日で例えたときに、何時にあたるのか分かるという話で、例えば、そのスタッフは27歳なので3で割ると9、つまり午前9時にあたるとのこと。1日で言えば、そろそろ何かをはじめようかなという頃。時間はまだたっぷりあって、午前中にこれとこれをやって、午後なんてずっと先のことみたいだ。そのお客さんは、今15時でお茶の時間だから、ちょっと休んでいるところなんだ、と話してくれたそう。トラベラーズファクトリーでは、そんな素敵な話が日常的にお客さんと繰り広げられているのを知って、その仕事が羨ましくなった。
 
27歳といえば、ジャニス・ジョプリンが死んだ年でもあるので、9時という時間がその死の早さをさらに実感させてくれる。ジャニスと同じ年に生まれたジョニ・ミッチェルは、同じ9時には、27歳なりの迷いや悩みが綴られている名盤『ブルー』をリリース。その後も何度もスタイルを変化させながら素晴らしい作品を作り続け、現在は0時をまわり、闘病中。
 
残念ながら連勝を終えてしまった話題の将棋棋士。藤井聡太氏は14歳だから、朝の4時半を過ぎたところ。まだ他の人はみんな眠っているような時間から誰もが驚く結果をだすのだから、やっぱり天才だな。こうやって1日に例えて、自分の人生を俯瞰するは、なんだかとても楽しい。誰がやってもそれなりに納得感もありながら、同時にまだできることはありそうだという気になれそうな気がするのもいい。
 
ちなみに自分は48歳だから16時。夕方で日が暮れるのを意識する時間ではあるけど、夕食まではもうひと仕事かふた仕事はできる時間。さらに長い夜のことを考えれば、できることはいっぱいあるような気もして、まだまだがんばろうって元気がでてくる。どちらかというと夜型だしね。夕暮れが迫りつつある16時は、若い人が見れば寂しくないのかな、と思うかもしれないけど、午前中やお昼に楽しいことや嬉しいことも、辛いことや悲しいこともそれなりに経験した気分からすれば、なるほどと思える時間でもあるし、残りの時間にもちゃんと希望を感じられる。だいたいストーンズのキースやミックみたいに、0時をまわっても現役の人だっていっぱいいるしね。
 
7月。また新しい季節がはじまった。今年の梅雨はなんだか控えめなようで、人知れずにこっそりやってきたみたいだ。東京では、その後も梅雨はあまり存在感を示すこともなく、梅雨を通り越して夏の訪れを感じさせることも多くなってきた。そんなわけで、うちでもタンスの奥から半袖のシャツをひっぱり出して、ハンガーにかけた。白いリネんのシャツに、インディゴブルーのコットンシャツ。さ赤に薄いブルー、白のパターンのストライプ、薄いブルーの代わりにベージュが入ったストラプ。10年以上前、つまり人生のお昼時に買ったお気に入りのアロハシャツはだいぶ色あせてそろそろ着のを諦めないといけないかもしれない。
 
ひさしぶりに半袖シャツを着て外にでると、強い日差しがむき出しの腕にあたってきた。自転車のペダルを踏むと、そこに涼しげな風があたって気持ち良い。いよいよ夏がやってきた。
 
1日は24時間で1年は12ヶ月。とすると、自分の年齢を6で割れば同じような計算ができる。自分の人生を1年でとらえると8月(う〜ん。これはあまり実感できないなあ)。だいたい年末につれて忙しい気分になるのもなんだかちょっと違う気がするし、やっぱり16時の方がしっくりくる。いろいろ大変だったり、悩んだりすることもあけど、夕暮れも楽しくやっていきたいなと思う。ところで、みなさんは今何時ですか?
 
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