2018年1月 1日

Happy New Year 2018

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2017年の最終営業日、自転車に乗ってトラベラーズファクトリー中目黒まで行った。家から中目黒までは17キロ、ゆっくり走って約1時間の道のり。走り始めは向かってくる風の冷たさを感じたけど、しばらく走り続けていくうちに少し汗ばんできて、寒さも感じなくなった。東京の東側から西へ向かうと、ちょうど皇居を過ぎたあたりから、アップダウンが多くなる。かなりきつい坂道を必死の思いで登ると、今度は急な下り坂となる。下り坂をペダルを動かさずに調子よく走っていても結局信号で足止めを食う。なんだか損をしたような気分で再び走り始めると、また急な登り坂があらわれる。走りながら、まるで僕らの仕事みたいだな、なんて思った。
 
途中コーヒーを飲んで休んだりしながら、夕方に中目黒に到着。ここに来たのは、この日でファクトリーをやめてしまうスタッフに会うため。5年間中目黒で一緒に仕事をしてきたんだけど、海外へ旅立つために残念ながらここを去ることになったのだ。
 
6年間お店をやっていると、そんなことが何度もあるんだけど、最近それが続いていて、別れの寂しさとあわせて、これからのことを思うと急な登り坂に遭遇したような気分になってしまう。人は生きていれば誰でも1冊の本が書けるというようなことを言うけれど、トラベラーズファクトリーが始まって、たくさんのスタッフたちと出会い一緒に仕事をしていると、みんなにそれぞれの物語があるという当たり前のことにあらためて気付かされる。その物語のどこかにトラベラーズファクトリーが登場していて、そのみんなの物語の集積がトラベラーズファクトリーという世界の物語を作っているのだ。そこには20年に渡って続いた「北の国から」みたいなドラマがある。
 
例えば6年前に何もわからないまま手探りでトラベラーズファクトリーをオープンした時のことは黒板五郎に純と蛍が、富良野の山奥で古い家を修繕し、川から水をひいたり、風車でランプを灯したりして必死に暮らし始めた時みたいだし、黒板家の人たちに草太兄ちゃんに中畑のおじさん、正吉や雪子おばさんなど様々な登場人物の人生が交錯しながら、物語が深まっていくように、ここで働くスタッフをはじめイベントに関わる仲間やお客さんの人生の片鱗に触れ合いながら、トラベラーズファクトリーの物語が作られている。
 
出会いと別れは、「北の国から」の中でも何度も繰り返されてきたし、その出会いからはじまるエピソードがドラマのストーリーを作っていったように、トラベラーズファクトリーで今まで一緒に仕事をしてきたスタッフのほとんどにそれぞれ少なくても1話分のエピソードがあって、エピソードを繋げていけば、それはトラベラーズファクトリーの物語であるのと同時に、壮大な人間ドラマになりそうだ。トラベラーズノートやトラベラーズファクトリーのことをいつか小説のように書いてみたいな、なんて思った。
 
物語の流れから考えると、2006年3月のトラベラーズノート発売からトラベラーズファクトリー中目黒オープンまでの6年間が第1章で、そこからまた6年間のファクトリー奮闘記が第2章になるのかな。6年区切りで考えると、まだはじまったばかりの2018年は、第3章がはじまる年になる。
 
第3章はどんな物語になるのだろう。第1章や第2章同様、きっと一筋縄ではいかない問題がいくつも巻き起こるだろうし、笑いと涙が溢れたドラマが繰り広げられるのは間違いない。その物語の主人公はトラベラーズノートで舞台の基地となるのはトラベラーズファクトリーであるのことも変わらない。
 
物語を作っていくのは、今トラベラーズに関わる仕事をしている僕を含めた全てのスタッフと、これから新しく加わるスタッフ、さらにプロダクトやイベントを一緒に作ったり、世界中でノートを広げようとしてくれているたくさんの仲間たち、そして、トラベラーズノートを使い、トラベラーズファクリーに足を運んでくれているすべての方々だ。僕には物語がこれからどんな展開になり、どんなエピソードを生んでいくのは分からないけど物語の続きが気になってしょうがない。
 
中目黒からの帰路、すっかり夜になった東京を自転車で走りながらそんなことを考えていた。日々のこともちょっと俯瞰して波乱万丈のドラマだと思えば、辛いこともちょっとだけ楽になるし、楽しいシーンや感動の場面を作り出そうという意欲も高まるのかもしれないな。
 
そんなわけで、2018年もトラベラーズノート及びトラベラーズファクトリーをよろしくお願いします。今年もみなさんのトラベラーズノートにも、きっとたくさんの物語が綴られていくと思いますが、その多くが楽しくで幸せな物語であるのを願っています。
 
トラベラーズファクトリー中目黒は、新年は1月6日よりオープンします。あわせて毎年恒例の新春イベントとして福引ガチャガチャや振る舞いコーヒーを行います。また、エアポートとステーションは新年も休まず営業しています。ぜひ遊びに来てください。

Have a happy new year & a nice trip with TRAVELER'S notebook!
 
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