日本一周自転車旅 仙台-盛岡編
<前回まであらすじ>
ふと思い立ち、トラベラーズバイクで北へ向かってみようと旅立ったのが2014年の夏休み。トーキョーバイクのコンセプトに従いよりみちしたり、休憩しながらのんびり走ったから、白河までの180キロで時間切れ。翌年の夏休みに続きを再開し、3日間かけて白河から仙台まで走った。すると何年かかるか分からないけど、このまま夏休みだけの自転車旅で日本一周を目指してみるのもいいかな、そんな小さな野望が頭に浮かんできた。
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一昨年は不覚にも病院で夏休みを過ごすことになったし、昨年はみんなで岡山へ旅をしたりして、しばらく中断していたトラベラーズバイクでの日本一周自転車旅、今年の夏にやっと再開。要は他に予定がなかっただけなんだけど。
まずは出発地点の仙台まで18切符で移動。出発地点が遠くになるにつれて、輪行バッグに入れて自転車を担いでの移動もだんだん辛くなってくる。朝8時30分上野発の宇都宮線に乗り、何度か乗り換えて仙台に着いたのは、夕方16時。自転車を組み立てると、まずは牛タン定食を食べて腹ごしらえをして、北へ向かった。初日は足慣らしということで、古川までの40キロ。日が沈み薄暗くなってくると、今の東京では想像できないような冷たく心地よい風が流れてくる。暗い道を自転車の心許ないヘッドライトを頼りになんとか古川までたどり着いた。
思いがけず種類がたくさんあったビジネスホテルの朝食バイキングで、朝からカレーライスをたっぷり食べて、8時にホテルを出発。車が高速でびゅんびゅん走る1桁国道はなるべく避けてローカルな道を選んでゆっくり走る。車も人もほとんど誰も通らないのどかな農道で、ふと思い立ちハンドルにセットしたiPhoneの小さなスピーカーからお気に入りのプレイリストを流してみた。音量を最大にすると、静かにアコースティックギターのコードストロークが聴こえてくる。うん、いい感じだ。のどかな田園風景が異国のカントリーロードのように感じる。
昔に何度も車で通り過ぎていながら立ち寄ることがなかった中尊寺と毛越寺をはじめて見物してみたり、温泉に立ち寄ったりしながら、この日のゴールは北上。そして、最終日は北上から盛岡までの約50キロ。足が重くなってくる頃だけど、昼食に盛岡冷麺を食べるのを楽しみに、最後の力を振り絞った。なんとか12時をちょっと過ぎた時間に盛岡にたどり着き、汗をたっぷりかいてクタクタの状態で食べた冷麺は美味しかったなあ。
そんなわけで、コマ切れだけど5年の歳月をかけてなんとか東京から盛岡までたどり着いた。次は盛岡-青森かな。距離は今回とほとんど一緒だけど、山道が多いから大変そうだな。で、その次は北海道は後回しにして青森-秋田だったら夏休み中にクリアできそうか。生きているうちに達成できるかどうか分からないけどこんな日本一周の旅も楽しいですよ。