2018年8月 6日

ハービー・山口さんのトークイベントのこと

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毎年この時期は、お盆前の入稿ラッシュでみんなてんてこまいの日々を送っている。来月発行のトラベラーズタイムズもそのひとつ。取材で急遽岡山に出張したり、原稿を書いたり、さらにデザイナーの橋本もコンテンツをまとめたり、レイアウトしたりで、フル回転でがんばっている。今この時点においては、まだ終わりが見えないけど、きっとトラベラーズらしい紙面ができあがるはずなので、ぜひ楽しみにしてください。
 
そんな中、先週の土曜日は、中目黒のトラベラーズファクトリーでハービー山口さんのトークイベントがあった。
ハービーさんは、とても気さくなお話好きの方でお会いすると、いつも心に響くような素敵なエピソードとともに楽しいお話をしてくれていたので、トークイベントもとても楽しみにしていた。この日は、ゲストとして元南極観測隊員で火星有人探査計画のMA160に日本人として唯一選ばれた、局地建築家の村上祐資さんにも参加いただいた。
 
トークイベントでは、ハービーさんによる村上さんの紹介からはじまり、前半は南極基地での暮らしや火星探査計画のための訓練のことなど、村上さんから貴重な経験を聞くことができた。常に危険と隣り合わせで、少ないメンバーとともに閉鎖的な空間で長期間過ごす局地での暮らしは、僕らの想像を超えるようなストレスがあるようで、そんな中での悩みや平静を保ち生き抜くコツなど、
経験者ならではのエピソードとともに話してくれた。村上さんの話を聞きながら、気になったフレーズがあるとその都度ご自身のトラベラーズノートにその言葉を書き留めていたハービーさん姿も印象的だった。
 
後半からは、今回ハービーさんとともに写真展を開催していただいているご子息の大輝さんも参加。ハービーさんが大輝さんの年齢だった時に、観光ビザを裏技を使って延長しながらイギリスでカメラマンになろうと必死で暮らしていた時のことなどを楽しく心に響くお話をたくさんしてくれた。自分自身の視点と持つこと、生きる希望を与えるようなものを作ること、その時々の出会いを大切にすること、2時間のトークイベントは、そんな様々な気づきを与えてながら、盛り上がりとともに終わった。
 
イベント終了後は、トラベラーズファクトリーの2階でささやかな打ち上げを行った。お酒が進んでいくのとあわせて、ハービーさんはトークイベントの第2ラウンドのように、名調子で語ってくれた。飛行機の機長のモノマネからはじまり、ジェットストリームのDJ風に語ってくれたり、親交のある福山雅治氏のモノマネとともに面白いエピソードを話してくれたり……。僕らはゲラゲラと声を上げて笑いながら、楽しい打ち上げは終電ギリギリまで続いた。
 
68歳の大御所写真家なのに、尊大さのかけらもなく、むしろ謙虚さを感じるくらいに僕らに気さくに優しく温かく接してくれて、笑わせながらたくさんの気づきを与えてくれる。
 
ハービーさんは、トークイベントの中で68歳で一般的には人生の折り返し地点を過ぎているはずなんだけど、そんな気はぜんぜんしなくて、まだまだ挑戦したいことがいっぱいあるんだよね、と話していた。きっとハービーさんは今でも、20代の頃にジョー・ストラマーに出会って感動しながら写真を撮っていた頃と、生きる姿勢はまったく変わっていないのかもしれない。49歳の僕にとっては、歳をとったらこんな人になりたいと思える憧れの存在がまた一人増えたのも嬉しかった。歳をとったら素敵じゃないか。そう思える存在が身近にたくさんいることは、まさに生きる希望を与えてくれる、嬉しいことだ。
 
ハービー山口さんと山口大輝さんの写真展は、本日8月6日まで。その後、8月7日からは、トラベラーズファクトリーでは、水縞さんのイベントがはじまります。コラボレーションリフィルも登場しますのでこちらもぜひお楽しみに!

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