2020年7月20日

お気に入りのTシャツ

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最近は自転車で会社に行くことも多いし、「今年の夏はコロナでいろいろ大変だから、あまりカチっとした格好じゃなくてもいいよね」と勝手に個人的にそんなことを思っていて、Tシャツで過ごす機会が多い(別に去年の夏もカチっとした格好だった訳ではなかったんだけど、今まではいちおう会社で仕事をする時は襟付きのシャツを着るという、個人的なルールがあったのです)。
 
自転車通勤で会社に着くと、まずは汗でびっしょりになったTシャツを着替える。バッグから2枚Tシャツを取り出し重ね着する。なんで2枚かというと、恥ずかしい話だけどTシャツ1枚で1日中過ごしているとお腹がくだり気味になってしまうから。だから自転車通勤の日は合計3枚Tシャツが必要になる。そんな訳で、最近急にTシャツの登場回数が多くなり、すっかり存在を忘れていたTシャツをタンスの奥から引っ張り出したり、気に入ったものが見つかると新たに手に入れたりしている。
 
一番新しいのは、先週、恵比寿のギャラリーで開催していた西澤崇氏の写真展で手に入れた「SENTIMENTAL PUNKS」のTシャツ。数ヶ月前、オズマガジンの前編集長、古川さんからTシャツのブランドを立ち上げたということを聞いていて、ずっと気になっていたんだけど、やっと手に入れることができた。
 
ブラックのTシャツの背中には、西澤氏による写真の上に「SENTIMENTAL PUNKS」のロゴがプリントされている。なんと言っても、このブランド名がいい。センチメンタルなパンクスですよ。シンプルでまっすぐで青臭くてロマンチック。最初聞いた時は、古参の中年ベテラン投手が、全力のストレートで新進気鋭の4番バッターに投げ勝ったみたいな爽快感とともに、勝手にやられたなあと思ってしまった。

トラベラーズファクトリー京都のオープンの際に同じ新風館にある映画館アップリンクで買った「エル・トポ」の Tシャツも気に入っている。「エル・トポ」は1971年公開のカルトムービー。中学生の頃に見て、その過激な映像にショックを受けて、それ以来映画に登場するフリークスのイメージが恐怖感とともにずっと頭に残っていた僕にとってのトラウマ映画。何年か前に再び見る機会があって、トラウマとは無事決別できたんだけど、Tシャツの存在を知ってこれは手に入れなきゃと思っていた。
 
音楽好きにとってTシャツと言えばライブ会場で販売されるツアーTシャツは外せない。レモンの輪切りが胸に大胆にプリントされているTシャツは、3年前のストーン・ローゼズの来日ライブで手に入れたもの。レモンは彼らの1stアルバムのジャケットにモチーフとして使われて以来、バンドのアイコンになっている。そのことを知っている人にはそれと分かるけど、正面にはバンド名がないから、ただレモンが大きくプリントされたTシャツとも見える。そういう押し付けがましくないさりげないメッセージがあるTシャツが好きだ。
 
アメリカでのイベントの際に訪れることができたハリウッド・ボウルでのモリッシーのライブでもTシャツを手に入れた。これは、ベッドで寝っ転がるおじさんの顔がプリントされているからめったに着る機会には恵まれない。だけど僕にとっては特別な体験を記念する大切な1枚。そういうTシャツもけっこうある。バンドものだとデザインが好きで(もちろん音楽も好きだけど)イースタン・ユースのTシャツを何枚か持っている。そういえばイースタン・ユースもセンチメンタルパンクスという言葉がしっくりくるバンドだな。
 
お気に入りのバンドや映画、デザインや言葉がプリントされたをTシャツを身につければ、それだけで「今日もがんばろうかな」という気分になれる。さらにちょっと大袈裟に言えば、好きなTシャツを着ることは自分のアティテュードを世界に向かって指し示すことでもある。
 
そんなことをぼんやり考えていたら、Tシャツってまるでトラベラーズノートみたいじゃなかって思った。リフィルの表紙にステッカーを貼ったり、チャームをつけたりして自分好みにカスタマイズしたトラベラーズノートは、まさに同じように気分をちょっと前向きにしてくれるし、自分の好きなことを伝えるメッセージボードのようなものでもある。
 
そういえばコラボレーションやイベントのリフィルや、ファクトリーの店舗限定リフィルも作る心持ちは、ツアーTシャツやコラボTシャツと似ているような気がする。最近トラベラーズのTシャツを作っていないけど、またいつか作ってみたいな。
 
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