徳島14gでのイベントも無事終わって、東京に戻る日の早朝。アアルトコーヒーの庄野さんに教えてもらった温泉施設で、サウナ上がりに外気浴スペースのベンチの上で仰向けになってぼーっとしていると、快晴の空に飛行機が飛んでいくのが見えた。真下から見上げる飛行機は、トラベラーズエアラインのチャームみたいに右から左へ横切っていった。
　
「もうすぐ飛行機に乗って帰るんだな」楽しかった旅がもうすぐ終わってしまうことを思って、少し感傷的な気分になった。
　
京都からはじまったキャラバンの旅は、途中、倉敷で台風に襲われて、イベントの日程を変更するなどのアクシデントがあったけれど、大きなトラブルもなく無事すべての予定を終えることができました。
　
倉敷では、直前の日程変更で平日にも関わらず、たくさんの方が足を運んでくれて、皆さん笑顔でノート作りを楽しんでくれたのが嬉しかったなあ。河合さんはじめ、T.S.L Kurashikiの皆さんともゆっくり話をすることができたし、思いがけず滞在日程が伸びたこともあって、倉敷がこれまで以上に身近になった気分だな。気心の知れた大好きな仲間がいて、なじみのある土地が増えるのも旅の大きな喜びなんですよね。
　
そしてイベントのファイナルは、アアルトコーヒーのカフェ、14gで開催。ここでノートバイキングを開催したのは、14gがオープンした直後の2014年のだったから、8年ぶりにまたこの場所に戻ってきたことになる。
　
アアルトコーヒーとは、今から13年前の2009年に夏休みにみんなで旅をして庄野さんに会いに行ったのが最初の出会いだった。今思えばあの2009年の旅は、トラベラーズの世界を広げ、トラベラーズファクトリーが生まれるきっかけとなるような出会いと刺激を与えてくれた旅だった。その旅の最後で庄野さんとはじめて会った。
　
ノートとコーヒー、お互いに作るものは違うけれど、作ることに向かう姿勢や価値観に似たものがあって、話が盛り上がり、コーヒーが好きだった僕らは、調子に乗ってトラベラーズノートをイメージしたブレンドを作ってほしいなんてことを口走った。庄野さんがそんな僕らの無茶な依頼に真摯に応えてくれて生まれたのが、トラベラーズブレンドだ。僕らは、自分達のコーヒーができたと嬉しくなり、そのことを伝えたいとの思ってトラベラーズプレスというリトルプレスを作り、さらにそのコーヒーを飲める空間が欲しいと思ったのこともトラベラーズファクトリーを作りたいと思った理由の一つだった。

あれから13年。トラベラーズファクトリー中目黒では今も変わらずハウスブレンドとしてトラベラーズブレンドを淹れてお客様に提供しているし、コーヒー豆はステーションや京都でも扱わせてもらっている。
　
僕らはほとんど徳島に行くことができていないのに、コロナ中を除けば、庄野さんは毎年、年に数回、トラベラーズファクトリーに来てくれて、カフェイベントやコーヒー教室を開催してくれている。アアルトコーヒーはトラベラーズノートの発売と同じ2006年にオープンしたということもあって、定期的に会う同級生のように一緒に歴史を重ね、本音でお互いのことを言い合えるような仲間のような存在だ。　だから旅ができるような状況になったら徳島に行きたいと思っていて、それが今回のキャラバンを計画するきっかけにもなった。
　
そんなわけでキャラバン最終日。朝、14gに入り、バタバタと皿を並べてその上に紙を並べ終わると、庄野さんの奥さんでいつも14gを取り仕切っている悦子さんがトラベラーズブレンドを淹れてくれた。庄野さんが淹れてくれるトラベラーズブレンドとはちょっと違っていて、だけどこれもまた美味しくて、淹れる人や淹れ方によって味わいが変わるのも、トラベラーズっぽくていいなと思った。
　
そして、ノートバイキングがはじまると、早速たくさんの方が来てくれて、14gの中はすぐにノートを作る人でいっぱいになった。
嬉しかったのは、8年前の前回のキャラバンでノートを作ってくれた方も何人も来てくれたこと。「あのときは台風で大変だったんですよね」と言うと「すっかり忘れていたけど、そうでしたね。でもあのときにノートを作ったことは楽し過ぎてずっと忘れられなくて、楽しみにしてたんです」と答えてくれて、楽しそうに前回作ってくれたノートと今回作ったノートを並べて写真に収めてくれた。さらに旅のきっかけに東京から参加してくれた方に、京都での参加してくれた松山から来てくれた方、「14gのインスタを見たら、楽しそうで」と14gの常連の方などたくさんの方がノートを作ってくれた。僕らも、皆さんとお話しながら本当に楽しい時間を過ごすことができた。
　
前回のキャラバンでは、前日の夜に入って、翌日は台風でお昼過ぎでノートバイキングを終了し、そのまま台風の中に広島に向かったから、庄野さんや悦子さんとゆっくり話ができなかったけど、今回はたっぷり話せたの嬉しかったなあ。
　
そんなこんなで、トラベラーズキャラバンもメンバーみんな元気で無事終了することができた。帰ってきてあらためて思うのは、旅をして大好きな仲間と会って、仲間とともに皆様に喜んでいただける何かをするということが、トラベラーズの大切な存在意義であり、僕らのパワーの源だということ。こればっかりは、リモートやオンラインではできない。
　
今回会えた方も会えなかった方も、またどこかの旅先でお会いして、話ができるのを楽しみにしています。
HAVE A NICE TRIP!