2022年10月 3日

Drive TRC CARAVAN

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キャラバンの旅が終わり、バタバタと忙しく仕事をしてやっと迎えた休日。
 
9時ごろ目が覚めて朝食をとると、Netflixの映画を見ながら寝落ちしてしまい、結局、お昼ごろまでそのまま眠ってしまった。旅の最中は、それほど疲れは感じることもなく、まだまだいけると思っていたけど、53歳になると、疲れも後からどっとまとめてやってくるみたいです。
 
ぼんやりとした頭で、そういえばキャラバンの旅で手に入れたアアルトコーヒーのアルヴァーブレンド極深バージョンがあったのを思い出して、さっそく豆を挽いて淹れて飲む。ずっしり染み込むような苦めのコーヒーをしみじみ味わいながらゆっくり飲んでいると、少しずつ意識がはっきりして目が覚めていった。
 
キャラバンでは、京都まで新幹線で行くと、そこから先はレンタカーを借りて移動した。途中で行きたい場所に立ち寄るには車が便利だし、みんなでイベントをしながら車で移動するのが、インディーズバンドのライブハウスツアーみたいで楽しい。
 
京都から倉敷へ移動する途中には、瀬戸内海を臨む山頂にあるbelkというカフェに立ち寄った。台風が近づいていたため、曇り空だったけれど、それでも瀬戸内海の島々や瀬戸大橋を見下ろすような絶景がすばらしく、おいしいコーヒーとともに幸せな時間を過ごすことができた。
 
倉敷でのイベントが台風で中止となり、その翌々日に延期としたため、その谷間の日には直島へ行った。直島は、以前ポストカードキャンペーンを開催の際にたくさんの方がおすすめスポットとして紹介してくれていたし、瀬戸内海の小さな島がアートの島として世界中から注目を浴びていることを聞いていて、いつか行きたいと思っていた場所のひとつだった。
 
この日は台風一過の晴天で、岡山の宇野港から乗ったフェリーでは、ずっとデッキにいて気持ち良い海風を浴びながら、瀬戸内海の風景を眺めた。いくつか訪れた美術館は評判にたがわぬ素晴らしさだったし、島から眺める風景に街歩きも楽しくて、良い1日を過ごすことができた。銭湯好きとしては、大竹伸朗氏による名物銭湯が休みだったのは心残りだったけれど、エキセントリックな外観を見ることができた。
 
直島から倉敷までの道。すっかり暗くなった道を走っていると、プレイリストを繋いだカーステからエルトン・ジョンの「タイニーダンサー」が流れた。ふと僕は、映画「あの頃ペニー・レインと」でこの曲が流れるシーンを思い出した。
 
全米ツアー中のロックバンドがアメリカの田舎道をツアーバスで移動している。長い旅に疲れ、メンバー同士で意見の食い違いもあったりして、車内はピリピリした険悪な空気に満ちている。そこにこの「タイニーダンサー」が、美しいピアノの旋律とともに流れると自然とみんなが歌い出し、車内の空気が一変。バンドが一体感を取り戻す。そんな素敵なシーンだ。
 
旅の半ばで、僕らはまだそれほど疲れがたまっていなかったし、この日の夕食は満場一致で倉敷名物のデミカツにすることが決まっていて、差し当たりこのタイミングでは意見の食い違いもなかったし、車内の雰囲気はいたって円満だったけれど、僕はひとり気持ちが高揚し、押し付けがましくみんなに「この曲はね」と映画のことを語りながら、やっぱりキャラバンの旅はバンドツアーみたいだな、とひとり悦に入っていた。
 
倉敷のイベントが終わるとバタバタと片付けをしてから、車を走らせ、尾道のホテルに泊まった。尾道には夜遅い時間に着いて、翌日の朝に発つ。尾道も初めて訪れる場所だし、中学生の頃に大林宣彦監督の尾道三部作をぜんぶ見ているから、あの映画に出てくる迷路のような坂道をゆっくり歩いてみたかったけど、残念ながらその時間もない。せめてとの思いで、高速道路のサービスエリアで尾道ラーメンを食べてからホテルに向かった。
 
尾道から四国に向かうしまなみ街道のドライブは、天気もすばらく、気持ちよかったなあ。実はこの道は7年前のキャラバンの旅でも通ったのだけど、そのときは四国から逆方向で走った。台風が直撃した徳島14gでのイベントを早々に切り上げ、台風の中四国を横切り、しまなみ街道を通ったときは、夜も遅く、風も強くて走るのを楽しむどころではなかった。
 
しまなみ街道を抜けると松山に入り、長い間、訪れたいと思っていたライズタッシェに立ち寄った。ここはトラベラーズノートを販売してくれているお店なんだけど、オーナーの千田さんが愛情たっぷりに扱ってくれているから、この地域のユーザーの皆さんのコミュニティーの場のようになっている。
 
平台のテーブルには、2023ダイアリーのテーマにあわせて、コーヒーの麻袋が敷かれ、その上にコーヒーカップやエスプレッソのコーヒーメーカーとともにダイアリーが嬉しそうに並んでいた。一緒に置かれているレコードプレイヤーからは、チャーリー・パーカーのサックスの音が流れている。
 
「これは去年のB-SIDESの発売にあわせて、買ったんですよ」と千田さんは教えてくれた。さらに壁には、お客さんから集めたメッセージやポストカードが並んでいて、この場所に集う皆さんの声が聴こえてくるような気がした。「いつかここでイベントができたらいいですね」と言いながら、旅先に自分たちにとって大切な場所がまたひとつ増えたことが嬉しくなった。トラベラーズノートとともにお近くを訪れた際は、ぜひ立ち寄ってみてください。
 
そして、ライズタッシェを出ると、トラベラーズファクトリーでお世話になっているポン菓子のひなのやさんへ。西条市にあるひなのやの工場に足を運んだ。鉄の筒のような機械にお米を入れてしばらく熱し、金槌で蓋をあけるとパン!と大きな音とともに膨らんだお米の粒が出てくる。
 
聞いてはいたけど、実際に見ると音とともにガラス戸もガタガタと震えるほどの振動を感じたり、同時にお米のかぐわしい香りに包まれたりして、ポン菓子がますますおいしそうに感じた。ひなのやを出ると、最後の目的地、徳島まで車を走らせた。
 
キャラバンの旅は終わったけれど、10月はトーキョーバイクのお祭りに参加したり、中目黒では11周年記念イベントでライブやカフェがあったり、盛りだくさんです。

 
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