2022年12月26日

Travel in 2022

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チェンマイのトラベラーズノートの工房より、クリスマスギフトが届いた。さっそくいただいたコーヒー豆を挽いて飲みながら、しばらく行っていないチェンマイに思いを馳せた。(日本のコーヒー屋ではほとんど見ないのだけどタイの北部はコーヒー豆の産地でもある)

日本ではこの冬一番の寒波が襲ってきて、各地で大雪が降り大変なことになっているし、東京でも寒さに震えながら過ごしているのに、スマホでチェンマイの気候を調べてみると、最高気温が28度で最低は17度とある。東京だと初夏といった感じだろうか。

12月から1月ごろのチェンマイは乾季にあたり、雨が少なく、暑すぎず、最も過ごしやすい季節だと言われている。僕は12月にチェンマイに訪れたときに、夕暮れ時のトラベラーズノートの工房の屋上で浴びた心地よい風を思い出した。

トラベラーズノートを発売して以来、ほぼ毎年のようにチェンマイに行っていたのに、もう3年以上行くことができていない。だいたい仕事にかこつけてチェンマイに行く機会を作りたかったから、トラベラーズノートの革カバーをそこで作ることにしたのに、もう3年もその恩恵にあずかれていないのだ。
 
それは冗談として(ちょっとだけ本気だけど)、現場で直接会って話をしながら確認したい課題もだいぶ溜まっているし、現地へ行けばできることもいろいろある。カオソーイも食べたい。最近はトラベラーズファクトリーにも海外からのお客さんが増えて、入出国のハードルもだいぶ下がっているし、来年には久しぶりにチェンマイに行きたいと思っている。チェンマイの工房には、クリスマスプレゼントのお礼とあわせて、近々訪問したいんだけど...と話をした。

今年最後のブログということで、最後らしく今年を振り返ってみると、3月のTSL倉敷のオープン、5月の小樽でのイベント、9月の京都・倉敷・徳島を巡ったキャラバンなど、久しぶりにトラベラーズの旅ができたし、個人的にもゴールデンウィークと夏休みにトラベラーズバイクでの日本一周の旅が再開できて、いよいよまた旅が始まったと思える一年だった。

荷物をカバンに詰め込んで、足早に駅や空港に向かうときの心が浮き立つ気分。さらに長距離特急列車が動きはじめて、車窓の風景が加速度をあげて変わっていくとき、見知らぬ町でハンドルを握りアクセルを踏むとき、飛行機がジェットを唸らせながら滑走路を動き、空に飛び立つとき、僕らは限りない自由を感じることができる。しばらくお預けをくらっていた分、旅の喜びがさらに深まったような気もする。

世界で起こったことや、日々のニュースを見れば、2022年は決して良いことばかりではなかったけどまずは旅ができるようなったことだけでも、トラベラーズにとっては良い年だったと思えます。

チェンマイからクリスマスプレゼントが届いたのと同じ日、アメリカからトラベラーズダイナーのネオンサインが届いた。TRC USAが店頭用ディスプレイとして作るということを聞いて、トラベラーズファクトリーの分も作ってほしいとお願いしていたのだ。
 
仕事が片付くと、さっそく中目黒まで持って行き、2階の壁に設置してみた。電源を入れると夜の薄暗いファクトリーの2階に、まぶしいくらいにトラベラーズダイナーのロゴが光り輝いた。うん、かっこいい。

まるでトラベラーズファクトリーが、アメリカの田舎町のロードサイドにある寂れたダイナーになったような気分になった。クリスマスでいつも以上に賑わっている中目黒の街の喧騒から離れた路地裏にあって、オープン時の賑わいが去った静かな店内だった分、ダイナーのネオンがより旅情を感じさせた。
 
僕らはクリスマスプレゼントで新しいおもちゃを手に入れた子どもみたいに、しばらくネオンを点けたり消したり点滅させたり、店内の灯りを消して真っ暗な中でネオンを灯したりして、ダイナー気分を味わった。リアルな旅と想像の旅を行き来しながら、これからも毎日を旅するように過ごしていたい。ふと、そんなことを思った。

今年もトラベラーズノートに、トラベラーズファクトリーをご愛顧いただきありがとうございます。そして、少し遅いですが、メリークリスマス!世界が平和で、世界中の人が安心して暮らし、自由に旅ができるのを願います。
そして、皆様よいお年を。

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