3回目のノートバイキング
先週、スターバックスリザーブロースタリーでノートバイキングを開催しました。参加いただいた皆様、ありがとうございます。
ここでのノートバイキングは、今回で3回目になる。1回目は2019年9月で、スターバックスリザーブロースタリーがオープンして、半年と少し過ぎた頃だった。オープン前にコラボレーションアイテムの企画をしている頃から、「ノートバイキングを開催したいですね」と話をしていたのだけど、日本で初めて新しいスタイルの旗艦店となるお店ができるということで、「しばらく様子をみてから、具体的なイベントの日程や内容を決めましょう」と話していた。そして、その年の9月に無事開催することができた。
年が明けて2020年になると、コロナ禍が始まった。2月末に1周年とあわせて新しいコラボレーションアイテムを発売したのだけど、お客さんが集中しないようにひっそりと店頭に並び、公式サイトに情報をアップしたのは発売してしばらく経ってからとなった。その後、目黒川の桜が咲き始めた頃に休業がスタート。その後営業を再開してからも、常に感染予防を意識しながらの営業となり、当然、ノートバイキングのようなイベントもしばらく開催を控えざるを得なくなった。
2回目が開催できたのは、それから2年経った2022年の4月。もともと組んでいた予定を2回延期して、三度目の正直でやっと開催することができた。そのときは予約人数も少なめにして、リング職人の前にはアクリルのボードを立てて、感染対策に注意しながらの開催だった。それでもやっとまたこの場所でノートバイキングができるようになったと感慨深く思った。
そして、先週3回目の開催となった。前回と違うのは、スターバックスリザーブロースタリーの店内には海外からのお客さんがたくさんいたこと。ここにいると店内の雰囲気とあいまって、日本じゃなくて海外のどこかを旅しているような気分になるんだけど、店内に世界中から来ている方がたくさんいることで、完全にその感じが戻っていたのも嬉しかった。
朝、強烈な日差しと熱気の中で中目黒駅からスターバックスリザーブロースタリーまで歩き、重い重厚な扉を開けると、スタッフが笑顔で迎えてくれる。そして、4階のイベントスペースまで行くと、まずは水出しのアイスコーヒー、コールドブリューを僕らに用意してくれた。しみじみと味わいながら、冷たいコーヒーを体に染み渡らせてから、作業をスタート。準備が終わると、まずはリハーサルを兼ねて、ロースタリーのスタッフの何人かにノートを作ってもらう。オープンまでの時間を気にしながら、それでも楽しそうに笑顔でぎりぎりまで悩みながら紙を選んでくれているのが僕らも嬉しい。
そして、10時にイベントスタート。皆さん、真剣な顔だったり、ニコニコしたりしながら、紙を選んでいく。選ぶ紙もそれぞれ個性があって面白い。「全部の種類の紙を入れても綴じられますか?」と聞かれて、「大丈夫ですよ」と答えると、とにかく少しずつ種類いっぱい紙を入れていく方もいるし、「47都道府県を制覇する旅のノートにするんです」と日本地図を47枚にメモ用の紙とポケットをそろえる方がいたり、「やっぱりこれが一番いいんです」とあえてMD用紙セクションだけを詰めて綴じたり…。参加いただいた方とそんな話をするのも楽しい。今回は海外から参加してくれた方もいて、そういえばノートバイキングの説明を英語でするのもずいぶん久しぶりだと思った。
最初はたどたどしかった今回デビューの新人リング職人も2日目には余裕の笑顔を見せて、何度か参加者の方のリクエストで一緒に記念写真におさまったりしていて、そんな姿もイベントの雰囲気を楽しいものにしてくれていた。
2日間、スターバックスリザーブロースタリーで過ごして、あらためてこの場所は特別な場所だなと思った。1階では常に巨大な焙煎機がコーヒーを焙煎していて、焼かれたばかりの豆が管を通って4階に運ばれ、そこでパッケージされていく姿を見るのは楽しいし、さまざまスタイルのコーヒーが淹れられ、世界中の人が話をしながら飲む姿や、おいしそうなケーキやパンが運ばれていくのを眺めているだけで、ワクワクしてくる。そして、なにより、目が合うと必ず笑顔を向けてくれて、一緒にイベントを行うことをとても楽しみながら盛り上げてくれるスタッフが素晴らしい。やっぱりこの場所は特別だなと思うのと同時に、この場所に僕らを仲間として迎えてくれて一緒にイベントを開催してくれていることを誇りに思った。
そういえば、7月に発売したリフィルのARABICAは、表紙にコーヒーの生豆が入った麻袋にプリントされたデザインを活版で印刷しているのだけど、ロースタリーで、コーヒーのローストなどの製造を担うスタッフは、同じデザインが背中にプリントされたシャツを着ている。そのひとりでいつも焙煎を仕事にしている方が僕らのもとに来てくれて、「このリフィルは私たちのために作ってくれたみたいで、いっぱい買って使っています」とシャツとお揃いのデザインのリフィルがセットされた愛用のトラベラーズノートを見せてくれた。
スターバックスリザーブロースタリーでのノートバイキングの表紙は、毎回新しくデザインされたものを使っているのだけど、1回目はスターバックスリザーブロースタリーの外観、2回目はその外観の周りにコーヒーの花をレイアウト、そして3回目はコーヒーの実になっている。実際にコーヒーとして飲めるには、さらに実を収穫して、洗ったり、乾燥したりして、生豆にして、運んで、焙煎して…といった感じで、もう少し工程が必要になる。なので、実際にカップに入ったコーヒーになるまでは、まだ何度かノートバイキングを開催しないとならないと思うので、今後もお付き合いいただけると嬉しいです。
また、スターバックスリザーブロースタリーでは、7月21日にリリースしたばかりの新しいコラボレーションアイテムも発売中です。夏休みに東京を訪れる予定がある方は、ぜひ、トラベラーズファクトリー中目黒とともに足を運んでみてください。