ダイアリーとトラベラーズタイムズ
いよいよ今週はトラベラーズノートの2024ダイアリーの発売。ということで、先日、ダイアリーリフィルをいち早くカスタマイズして、トラベラーズファクトリーの店頭用サンプルを作った。
まずは出来上がったばかりのダイアリーとカスタマイズシールの封を開けて、机の上に並べる。月間ダイアリーのオレンジ色の表紙を開くと、パリッとして硬く、まるでおろしたてのシャツのようだ。来年の日付が入ったページをパラパラとめくりながら、インデックスシールを月ごとに貼っていく。まだ何も書かれていないカレンダーを眺めていると、それはずいぶん先の未来のようで、その頃は僕はどこで何をしているんだろう、なんてことを考える。
次に、カスタマイズ用のシールを手に取り、トラベラーズタウンを歩くような気分で表紙にペタペタと貼っていく。表紙の仕上げに、インレタシールで「THE TRAVELERS ARE BACK IN TOWN」とメッセージを入れてみる。最後に、表紙の内側にはポケットシールを貼って、そこにスケジュールシールや丸シールを台紙ごとカットして入れておく(こうしておくと便利です)。
月間ダイアリーが完成すると、さらに週間ダイアリーに、パスポートサイズをカスタマイズする。パスポートサイズの週間ダイアリーには、付属のガイドにレイアウトされている「THE TRAVELERS ARE BACK IN TOWN」の部分をカットして糊で貼ってみた。カスタマイズが終わると、4冊並べて写真をとる。そして、なかなかいい感じだと一人悦に入る。まだちょっと早いけど、なんだか2024年も良い年になりそうな気がしてきた。来年もよろしくな、と頭の中でつぶやいた。
たくさんの方が、こうやってそれぞれのダイアリーをカスタマイズしてくれたら嬉しいなと思いながらも、誰よりも早く一番乗りでこのカスタマイズができる特権を喜ぶ。毎年同じことを思っているような気もするけど、仕事としてこういったことができるのが嬉しい。
いよいよ今週9月14日にダイアリーが発売されるのだけど、例年同様、トラベラーズタイムズ14号の配布も同じ日に始まる。ダイアリーのカスタマイズが終わると、刷り上がったばかりのトラベラーズタイムズを手に取ってパラパラとめくった。
表紙に記されている今号のタイトルは「On The Road Again」。カントリーシンガーのウィリー・ネルソンが1980年にリリースした曲のタイトルからの引用になる。
On the road again
Just can't wait to get on the road again
The life I love is making music with my friends
And I can't wait to get on the road again
また旅に出るよ
また旅がはじまるのが待ちきれないんだ
旅暮らしの中で、友人たちと音楽を作るのが好きなんだ
また旅に出るのが待ちきれないよ
「On The Road Again」は、軽快な演奏と共にこんな歌詞ではじまり、ツアーに出て、ハイウェーを走って、行ったことのない町を訪れたりする、旅の喜びが素直に歌われている曲だ。抑揚も少なく、いかにもカントリーソングって感じのシンプルな曲なんだけど、コロナを経験した後になって聴くとしみじみと心に響く。長く永遠に続く気さえもした旅に出られなかった年月の後の「Again」は、より重く感じるし、その分、旅の喜びも拡大する。それができているかどうかは別としても、今回のトラベラーズタイムズではそんな旅が再び始まることへの思いを表現したいと思った。
そして、毎号連載のように掲載している「How Do You Use TRAVELER’S notebook」には、weekend booksの高松さんにご登場いただいた。高松さんは、現在トラベラーズファクトリーで開催中の「読書月間」イベントで、中目黒に出張コーナーを展開していただいている。中目黒でオープン以来、毎年絶やすことなく続けているイベントのひとつで、今回で12回目になる。
このイベントのために、高松さんから届いた本を手に取り、トラベラーズファクトリーの平台に並べていくことも、僕にとって一年に一度の嬉しい仕事のひとつ。一冊ずつ本を並べながら、ページをパラパラとめくったり、あっちの本はこっちの方が似合うかなとか思って、位置を何度も変えたりするから、遅々として作業は進まないけれど、本が好きな僕にとっては心躍る楽しい時間でもある。もう12年も続けているのに、毎年定番のように届く本に安心したり、読んでみたい未知の本を見つけることができたり、毎年フィーチャーする作家を微妙に変えてくれたり、飽きることがないのが嬉しい。
そんな気持ちになれるは、もちろん、高松さんの本への深い知識と愛情を持ちながら、さらに手間と時間をたっぷりかけて選んでくれているからに他ならない。古書を卸して販売することで得られる利益は、決して多くはないはずなのに、それを12年も続けていただいていることには、ほんとうに感謝だし、そんな仲間がいるのが僕らの誇りでもある。
高松さんは、トラベラーズノートのユーザーでもあり、weekend booksに行く際には、使っているノートを見せてもらうのも楽しみのひとつでもある。今回の本を預かるために訪れたときは、好きなアルバムリストを素敵に綴っているトラベラーズレコードのリフィルを見せていただいた。
この日は、weekend booksは営業していなかったので、お店の奥でコーヒーをいただきながら、高松さんご夫妻とゆっくりお話しすることができた。その際、クラフトの紙にトラベラーズファクトリーのマスキングテープなどでコラージュされているお手製のランチョンマットに、コーヒーとお菓子が並んでいて、そんなセンスと気遣いがとても高松さんらしくて感動した。
トラベラーズタイムズ18号には、高松さんがトラベラーズノートとの出会いと共に古書店をはじる経緯が綴ってくれている。そしてもちろん、彼女の素敵なコラージュがほどこされたトラベラーズノートの写真も掲載しているので、ぜひ楽しみにしてください。そして、トラベラーズファクトリー中目黒では、10月9日までweekend booksの出張コーナーが開催中です。こちらもぜひ。