2023年9月19日

定例行事と新しいこと

 先週、トラベラーズノートのダイアリーが発売となりました。おかげさまで、発売日当日は、トラベラーズファクトリーにたくさんの方が足を運んでくれました。ダイアリーを手に入れていただくということは、2024年をトラベラーズノートと過ごすためのチケットを手に入れていただくということでもあります。僕らもこの状況をとても嬉しく思うのと同時に、2024年もがんばろうと背筋が伸びる思いになります。ってまだ2023年が終わったわけでもないし、今年中にやるべきこともまだたくさんあるんだけどね。

 また、オンラインショップでは、アクセス集中によって、繋がりにくい状況が続き、大変ご迷惑をおかして申し訳ありませんでした。この辺りは、得意分野ではないのですが、もう少しきちんと改善しなくちゃいけない課題です。来年は同じようなことがないようがんばります。

 ダイアリー発売の前日は、閉店後のトラベラーズファクトリー中目黒で、売れて数が減ってきたweekendsの古書コーナーの横にスペースを作って、新しいダイアリーを並べた。そういえば、昨年も同じことをしたのを思い出す。もっと言えば、トラベラーズファクトリー中目黒がオープン以来、ダイアリーの発売日はいつもweekendsの古書コーナーが展開中だから、もう12年も同じことをやっていることになる。だけど、毎年変わらないルーティーンのような仕事を、僕らはけっこう楽しんでいる。

 ダイアリーは、農家の方が田植えをする頃にデザインの企画を始めて、稲穂を育てるように、入稿・印刷・製本などの工程が進んでいく。そして、稲刈りの時期にダイアリーの発売日を迎える。そうやって農家が育ててくれたお米を1年間主食としていただくように、ダイアリーもまた1年間、旅の相棒として共に過ごしていく。何千年も繰り返されてきた稲作の歴史と比べるのは大変おこがましいけれど、何年も続く仕事があるのは、ありがたいことだと思う。

 ただ、進行スケジュール自体は毎年ほとんど同じなんだけど、毎年テーマを決める際には、その時代の空気感とか自分たちの思いみたいなものを反映させたいと思っているし、デザインは新しく制作しないといけないので、いつもぎりぎりで必死に作っているというのが正直なところだったりもする。でも、年を重ねるごとに、バックナンバーが書棚に増えていくみたいに、デザインが増えていくのは楽しい。

 先週はシンガーソングライターの山田さんと会って、今年のトラベラーズファクトリー12周年記念のライブの諸々を打ち合わせをした。山田さんとのライブも周年記念の定番イベントになっている。コロナで一時、オンラインのみでの開催にはなったけど、それでもずっと絶えることなく続けているイベントのひとつだ。ライブ参加のおまけに付けているリフィルをどうしようかと話をして、さらに昨年のライブとあわせてやってくれた山田さんセレクトによるレコードショップ、トラベラーズレコードを今年も開催できそうな展開になる。こうやって毎年の恒例行事が進化していくのも楽しい。

 こんな感じで、僕のダイアリーには、毎年恒例の仕事やイベントで半分以上が埋められていく。もちろん、その中には「またあれをやらなきゃいけない時期が来たか」と、それなりにプレッシャーを感じる仕事も多いけど、それ以上に続けられることにワクワクするような予定も多い。

 昨年のブログを見返すと、ちょうどこの9月の連休は、トラベラーズカンパニーキャラバンイベントで、京都・倉敷・徳島を巡っていた。ずいぶん昔のことのように感じるけど、あれから1年いろいろなことがあったとしみじみ思い返す。それぞれの場所で開催したノートバイキングの楽しい思い出はもちろん、台風襲来による倉敷での足止めに、台風一過の直島・地中美術館訪問など、あの旅が今につながっているのが感慨深い。

 昨年の怒涛のようなキャラバンの三連休とはうって変わって、今年の三連休はゆっくり過ごした(お店はダイアリー発売直後の連休でバタバタだけど)。キャラバンがない代わりに、今年は10月に流山工場でのイベントがあるし、10月初めには、個人的にお休みをいただき一週間ほど旅にでかける予定もある。

 新しいダイアリーを眺めながら、2024年もいつもの恒例行事のような予定と、新しい予定が程よいバランスで混ざり合うといいなと思った。同じことを繰り返し、経験を重ねることで、見えてくる世界もあるし、新しいコトは今まで知らなかった世界を教えてくれて、刺激を与えてくれる。

 そういえば旅もそうかもしれない。行ったことがない場所を旅するのは、それだけでワクワクするし、新鮮な気持ちで旅を楽しむことができる。もちろん、知らない世界へ行くのは、危険じゃないかとか、自分の肌に合っているのかとか、不安はあるけれど、それがないと旅自体が停滞してしまう。

 だけど同時に、同じ場所を何度も旅することで、その土地への知識も深まり、勝手知ったる場所へ行くような安心感や、また同じ楽しみをまた味わえるという喜びもある。僕にとってのチェンマイや香港がそうであるように、そこにちょっとした知り合いもいて、その土地の変化を知ることもできて、旅先が自分の馴染みの場所になっていく楽しさがある。

 どっちが良いとか悪いじゃなくて、ほどよいバランスが大切なんだろうな。なじみの場所でも未知のスポットを発見することだってあるし、はじめての旅先でまるで既視感のあるような落ち着く場所に出会うことだってある。まるで同じことの繰り返しのような日々のルーティーンだって、旅するように過ごすことで、新しい楽しみを見つけられる。

 新しいダイアリーには、毎年恒例の予定と、オリンピックのように何年かぶりにたまにやってくる予定、そして、新しい未経験の予定が、ほどよいバランスで書き込まれるといいな。

 話は変わりますが、先週、「みんなの投稿」のアーカイブサイトをアップしました。15年以上に渡り、ユーザーの方々から募集した投稿がご覧いただけます。3000件以上ございますので、ゆっくり少しずつご覧いただければと思います。