2024年2月 5日

18周年のスペシャルカフェ

 先週末にアアルトコーヒーの庄野さんが中目黒に来てくれてカフェイベントを開催したのだけど、その開催日の2月3日はちょうどアアルトコーヒーのオープン日にあたる日だった。告知サイトのページを作る際、そのことに触れようと思い、何周年にあたるか調べたら18周年になることが分かって、ちょっとびっくりしてしまった。トラベラーズノートは今年19周年だと、なんとなく思っていたのが間違いだったことに気づいたのだ。

 実はアアルトコーヒーのオープンとトラベラーズノートの発売は同じ年で、アアルトコーヒーは2006年2月、トラベラーズは同年3月なので、アアルトコーヒーのほうが1カ月先輩になる。

 トラベラーズとしては、19周年特別企画!なんていうものを考えていたわけではないので、勘違いをしていたからといって何か支障があるわけではないのだけど、なんとなく1年分損をしたような、1年若返ったような不思議な感覚になった(正直に言えば、「18年以上続いています」とお客さんや新しいスタッフに何度か言った記憶はあるので、結果的にうそをついてしまったことにはなります。すみません!)。

 言い訳がましく重ねると、この周年というのは、けっこう勘違いしやすいのです。今はもう時効だと思うので言ってしまうけど、2013年にパスポートサイズ発売5周年企画として、スターフェリーとのコラボレーションを発売したのだけど、数年後、そのタイミングではまだ5周年ではないことに気づいた。

 パスポートサイズの発売は、2009年3月、そしてスターフェリーとのコラボは2013年3月。2009年生まれだと2013年はまだ4歳なので、4周年ということになる。だけど、発売してからも自分たちはもちろん、関係者もその間違いに気づくことはなかったし、お客さんからの指摘もなかった。やっと気づいたのは、それから何年かして、トラベラーズノート10周年の企画でそれまでの歴史をまとめたフライヤーを作成したときだった。そこではじめて気づいて、思わずハッとしてしまったけど、そのタイミングで訂正の発表をするのも変だし、フライヤーの原稿に書いていた「パスポートサイズの発売5周年企画として」という文言をしれっと削除しただけで、済ませてしまった。

 トラベラーズファクトリーは、毎年周年イベントを開催しているので、さすがに間違えることはないけれど、エアポートやステーションなどの他のお店は、スタッフに聞かないと答えられないし、パスポートサイズが何周年かどうかはあれ以降気にしたこともない。

 たくさんの方が足を運んでくれて忙しく過ごしたカフェイベントが終わると、今回もトラベラーズファクトリーの2階で打ち上げとなった。この日はアアルトコーヒー18周年記念日ということで、声をかけたら、いつもトラベラーズファクトリーの周年ライブを開催してくれている山田稔明さんをはじめ、tico moonの影山さん、ミュージシャンの高橋徹也さん、ミルブックスの藤原さんが打ち上げに集まってくれた。

 さらにアアルトコーヒー&トラベラーズと同じように今年18周年を迎える dans la nature のなっちゃんがクッキーを、吉祥寺のピワンさんはカレーを送ってくれた。藤原さんが作ってくれたおでんに、ピワンのカレー、そして、デザートはdans la natureのビスケットという豪華メニューをいただきながらの、楽しい打ち上げとなった。

 アアルトコーヒーは18周年を迎え、庄野さんとはじめて会ってからは15年経ったけれど、庄野さんの仕事に向かうスタンスはほとんど変わっていない。その間に、本を何冊か出版したり、14gをオープンしたり、全国に知られるようになったり、いろいろ変化はあったと思うけど、庄野さんの世間の評判や風評を気にしない世の中の見方も、歯に衣着せない発言も最初に会ったときから、変わっていない。

 この日のカフェイベントで庄野さんは、トラベラーズブレンドとあわせてバレンタインブレンドを淹れてくれた。深煎りですっきりした飲み口のバレンタインブレンドは、イベントでも人気で、たくさんの方が帰り際に「おいしかったです」と声をかけてくれた。トラベラーズファクトリーでも豆を発売しているのだけど、他のコーヒーはラベルにスタンプで豆の名前を表記しているのに、バレンタインブレンドだけは、一つひとつ庄野さん自身がブレンド名をわざわざ手書きで書き込んでいる。そんなロマンチックなこだわりも、変わらない庄野さんらしさだ。

 アアルトコーヒーに続き、トラベラーズノートもあと一カ月とちょっとで18周年を迎える。18年の間にトラベラーズファクトリーができたことをはじめ、コラボレーションをしたり、海外のユーザーの方が増えたり、いろいろ変わったこともあるけれど、僕らにとっての大切な核となる部分は変わっていないと思いたい。

 18歳といえば、今では成年年齢になる。選挙権が得られて、親の同意なしでローンを組んだり、クレジットカードをつくることができるみたいだ(でも飲酒・喫煙はダメらしい)。自分が18歳になったときも、20歳になったときもそうだけど、トラベラーズノートが18歳になったからと言って、その瞬間に特別何かが変わるわけではない。トラベラーズノートを必要とし、使ってくれている方がいたからこそ続いてきたので、ただそのことに感謝したいと思います(ってまだ18周年になっていないけど)。

 先週末のカフェイベントに続き、今週末はスペインからアイトールさんが久しぶりにトラベラーズファクトリーに来てくれて、イベントを開催します。ワークショップはすでに定員になってしまったけれど、展示はご覧いただけますので、ぜひ。