2024年を振り返る
あと1週間と1日で2024年が終わり、新しい1年を迎える。このブログも今回が今年最後。なのに特に書くべきネタもないし、今年を振り返るようなことを書こうかと、なんとなく2024年のブログを読み返してみる。
1月のブログは、サウナに泊まった翌日に観た映画『PERFECT DAYS』のことから始まり、まだ未発表だったTOKYO EDITIONのリリースを予告するかのように、東京の話をいくつかアップしている。意図していたわけではないんだけど、ここで書いたことが伏線のように、9月に発行したトラベラーズタイムズの記事として回収できたのは嬉しい。
2月にはスペインのアーティスト、アイトールさんのイベントを中目黒で開催。このときは9月に再び京都でアイトールと同じイベントをすることになるとは思っていなかった。コロナでしばらく旅ができなかったアイトールさんは、深い渇きを大量の水で潤すかのように旅をしていた。その旅の目的地に二つのトラベラーズファクトリーを選んでくれたのも嬉しい。
ブログには、アイトールさんのイベントの前日に、自転車で転んだことが書かれている。このときは、5月にもっと派手に自転車で転んで顔面が血だらけになるなんて、まったく思っていなかった。ちなみに、どっちの転倒が影響したのかはよく分からないけれど、あれ以来、右手を伸ばすと肩が痛くなる症状が続いている。普通に手を上げるだけなら問題ないんだけど、ちょっと高いところのものを取ろうと、手をぐっと伸ばしたりすると、突然ビビっと痛くなる。これはもう五十肩みたいなものだから、しばらく治らないんだろうとあきらめている。そういうものだ。
3月には、今年の流行語大賞にもなったクドカンのタイムスリップもののドラマについて触れている。「ふてほど」とは言っていないけど。さらにコロナ以来となる名入れ職人栗山さんのイベントを中目黒と京都で開催。栗山さんには8月に自転車で福井を旅したときに、再会してお昼ご飯を一緒に食べた。コロナでしばらく会えなかった人との距離が再び近くなったのもこの1年でよくあったなあ。
そういえば、昔から好きだったイラストレーターでエッセイストの沢野ひとしさんとコラボレーションができたのも3月。トラベラーズノートの仕事をしているとたまにある、ご褒美みたいなできごとのひとつ。栗山さんは70歳を過ぎているのに、福井で自転車に乗って颯爽と現れたし、沢野さんは80歳になったのに、いまだに現役でたくさんの連載をこなしている。僕もまだがんばらないとだな。
4月はTOKYO EDITIONの発売。その頃のブログに「TOKYO EDITIONとの出会い方」の妄想ストーリーのようなものを書いたけれど、実はそれぞれモデルがいる(もちろん詳細はフィクションですよ)。Oさんのモデルとなったファクトリー担当のAは、年明け早々に結婚して地方都市に引越。さらにトラベラーズノートの立ち上げから相棒のように仕事をしてきたデザイン担当のHは、初出産のため5月より産休。どちらもとてもめでたく喜ばしいことだから、おめでとうと言葉では言いながらも、同時にその影響で起こる仕事上の不安が頭に浮かんだ。そんなわけで、苦難の1年だと覚悟して迎えた2024年もなんとか乗り切れそうでほっとしている。
もちろん、その裏には遠隔地でのリモートながら今まで変わらない働きをしてくれたAと、たくさんのデザインストックを産休前に仕上げて残してくれたHのおかげに加え、チームメンバーのみんなのがんばりもあったから乗り切れたことでもあるんだけど。ちなみにHは6月に無事女の子を出産。8月に一度会うことができたけど、かわいかったなあ。トラベラーズチーム内では、他のメンバーにも結婚・妊娠・出産が続いていて、そんなみんなにとっては、それこそが2024年の一番の大きな出来事。心からおめでとうと言いたい。
5月から旅の記事が続いた。愛知蒲郡の「森、道、市場」をはじめ、8月には日本一周自転車旅の続きで富山から福井、9月にはコロナ以来初となる海外イベントでマレーシアへ。そして11月にはアメリカのロードトリップ。初めての場所にもたくさん訪れることができたし、各地で愛を持ってトラベラーズノートを使ってくれている方にたくさん会うこともできた。
ざっとアーカイブをざっと見返してみると、いろいろ大変なこともあったけれど、2024年も充実した1年だったんじゃないかなと思えた。トラベラーズノートが発売されてもうすぐ19年。思えば、不安もなく安泰だと思いながら迎えた年なんてなかったような気がする。
痛みが治らなかったり、忘れっぽくなったり、老眼がひどくなったりという老化現象を別にすれば、概ね健康に過ごせた1年だった。7月には初めてコロナ陽性の診断を受けたけれど、ほぼ無症状で苦しむこともないままやり過ごすことができた。自転車通勤に日本一周自転車旅は続けているし、元気に旅をすることができれば、もうそれでOK。20年使っている僕のトラベラーズノートも、ゴムを何回か替えたし、傷はいっぱいだけど、いまだに現役で使えている。
トラベラーズノートのダイアリーを2024年版から2025年版に差し替えるときのように、この1年を振り返りながら、新しい年へと想いを馳せる。2025年もまた、手強そうな予感に満ち溢れているけれど、まあでも、そういうものだ。とにかくみんな健康に気をつけて、がんばりましょう。
2024年はありがとうございました。2025年もトラベラーズノートをよろしくお願いします。良い旅を。