2025年1月 1日

HAPPY NEW YEAR 2025

 明けましておめでとうございます。2025年がやってきました。これまでも何度か書いてきた通り、2025年のトラベラーズのテーマは、LOVE AND TRIPです。

 LOVE AND TRIPは、もともとトラベラーズファクトリーのバレンタイン&ホワイトデーギフトの販促用に作った言葉で、そのシーズンだけ登場するものだった。ただ語呂もいいし、そのとき橋本が作った赤のベースにシンプルなフォントのデザインもかっこよくてずっと気に入っていた。

 2025年のダイアリーのテーマを決めるときに、今こそこの言葉がピッタリだと思って、あらためてメッセージとして取り上げることにしたのだ。

 LOVE AND TRIPというフレーズは、もちろんLOVE AND PEACEから来ている。元ネタのLOVEとPEACEはどちらも数えられない不可算名詞だけど、TRIPは可算名詞になる。なので正しくは、LOVE AND A TRIP、もしくはLOVE AND TRIPSになるのかもしれない。だけど、それだとなんとなく収まりが悪いし、語呂も良くない。

 であれば、LOVEとTRIPを動詞として捉えて「愛して、旅をしよう」という意味にすれば、いいんじゃないかと思って調べてみたら、TRIPは動詞になると「旅をする」という意味ではなくて、「つまずく」とか「よろける」という意味になるらしい。「愛して、つまずく」というのもなかなか含蓄のあるコピーだと思うけれど、もちろん僕らが伝えたいのはそういうメッセージではない。

 ちなみに、ひとつの単語が、意味によって不可算名詞と可算名詞に変わる場合がある。例えば、Romanceという単語を名詞として使う場合、ロマンチックな物語や事柄を意味する場合は可算名詞になり、ロマンチックな雰囲気であったり、概念としてのロマンスを意味する場合には不可算名詞になる。それと同じようにLOVE AND TRIPのTRIPは、ひとつひとつの旅ではなく、もっと広い意味での概念としての旅を意味したいと思ったから、不可算名詞の方がしっくりくる(それが英語の文法として正しいのかは知らないけど)。

 そもそもロックの曲名で、単数の可算名詞なのにAがつかないのはよくある。それに、昔ソニーがWalkmanを海外で販売する際に、その名前が文法的におかしいという指摘があって、海外では違う名前で売り出したけど、結局オリジナルのWalkmanの方が海外でも認知されて、統一したなんていうエピソードもある。要は、LOVE AND TRIPという音と字面が気に入っていたから、とにかくこのままいきたかったのだ。

 2025年のダイアリーのテーマをLOVE AND TRIPに決めるにあたって、こんなことを考えていた。だけど、その後アメリカでも「愛と旅」という意味で違和感なく受け入れられているようだし、「文法的にどうなの?」なんて質問は一度もない。

 あれから半年以上経ち、今こうやって2025年を迎えてみると、あのとき以上にLOVE AND TRIPというテーマがしっくりくる。あいかわらず戦争は続いているし、世界中でそのリスクは高まっているように感じる。権威や地位を守るために、平気で嘘をついたり、臭いものに蓋をしたりする人がいる。差別を煽り、憎しみ合うのを煽る言葉が溢れ、誠実さのかけらもなく笑っている奴がいる。

 情報が溢れると、何が正しくて何が悪なのかが分かりにくくなる。ボーッとしていると、つけ込まれて憎しみを煽られてしまう。最も無実に見える人が、実は真犯人だったというのはミステリーの常套手段だし、そもそも白と黒にはっきり分けられるほど、人も物事も単純じゃない。正しいとか間違っているとかジャッジするのではなく、できることなら誠実に思いやりを持ち、愛をもって人と接していきたい。もっと言えば、嫌いなことを罵り合うより、好きな人と好きなことについて話していたい。

 孤独で眠れない夜もあるし、先の見えない悩みや悲しみに打ちのめされそうになることだってある。そんなときこそ、好きなことについて考えるべきなんだよね。好きな音楽を聴き、好きな映画を観て、好きな本を読む。好きな場所へ旅をする。好きな人と一緒だったらなおいいよね。悩みなんて解決しなくても、とりあえず遠くへ押しやってしまえばいい。そして、ノートに好きなことを書く。トラベラーズノートは、自分の好きな気持ちをジャッジせずにただ受け入れてくれる。

 好きなことを楽しみ、それを糧に家族や好きな人たち、好きな何かのために、できることをする。人が生きていく意味なんて、それくらいのことなのかもしれない。この歳になって最近、ぼんやりとそう思うようになった。そうすると、LOVE AND TRIPは、愛すべき何かを探す旅だとも言える。トラベラーズノートがその旅の相棒になることができたら素敵だな。心からそう思う。

 話は変わりますが、トラベラーズファクトリー中目黒は1月7日までお休みをいただいていますが、京都は1月1日のみ休みで、エアポートとステーションはお正月も休まず営業しています。


 また、今年も恒例の新春イベントを開催します。京都では1月2日、エアポートでは1月4日、ステーションでは1月5日、中目黒では1月11日より、リフィルやステッカーなどが当たる新春福引がはじまります。ステーションでは、昨年オープン前にたくさんの人が並んでしまったことで、多方面にご迷惑をかけてしまったこともあり、抽選という形をとらせていただきました。福引を引くための抽選という、なんとも言えない微妙な方法で申し訳ありませんが、なにとぞご了承お願いします。

 また、オンラインショップでも1月8日より、新春プレゼントキャンペーンを実施します。

 昨年はトラベラーズカンパニー、トラベラーズファクトリーをご愛顧いただきありがとうございました。2025年もよろしくお願いします。