2025年3月31日

スマホが壊れる

 スマホが壊れた。先週、仕事が終わり、会社を出る前になんとなくネットを見ていると、突然画面が真っ暗になった。僕は電源ボタンを押して、再起動しようとした。いままでもそういうことはあり、それでいつも復活していた。だけど、そのときはいつもと違って、真っ暗なまま復活しない。僕は諦めて家に帰った。

 通勤時は、いつもスマホで音楽やラジオを聴いていたのだけど、聴くことができない。僕はカバンから本を取り出して、読みながら電車で帰った。いつもだったら、本を読むときも音楽を聴いている。だけど、音楽がない方とより本に集中できるような気がした。

 家に帰り、ネットで故障のことを調べてみる。同じ症状の場合の対処方法として、左の上のボタンを押してすぐ離し、下のボタンも押してすぐ離して、右のボタンを長押ししてください、とある。さっそく書かれた通りのことを何度かやってみるけれど、画面は真っ暗なまま。充電をしばらくしてから、同じことをやっても、やっぱりダメ。結局、僕は諦めて、アップルストアで修理してもらうことにして、翌日の仕事終わりの時間を予約した。

 僕のスマホは、2020年に買った iPhone SE。もう5年以上使っていることになる。世の中は5Gと言われている中で、まだ4Gにしか対応していないモデルだ(違いはよくわからないけど)。最近、カメラの調子が悪くてまともに写真が撮れないし、バッテリーの持ちも悪い。突然真っ暗になって落ちてしまうこともよくある。世の中は5Gと言われている中で、まだ4Gにしか対応をしていない。そろそろ替え時なのかもしれないと思った。ならば、カメラも高機能の最新モデルにしようか、なんて考えた。

 そんなわけで、翌日は携帯が壊れたまま会社に向かった。あらためて見てみると、駅の改札でけっこうたくさんの人がスマホをタッチして通っている。僕はなんとなくスマホのそういった機能は使わず、スイカを財布に入れて持ち歩いている。また、僕はたまにしか使わないけれど、ほとんど支払いをペイペイなんかのスマホのQR決済で済ます人も多い。そういう人は、現金をあまり持ち歩かないだろうから、突然スマホが壊れたらどうするんだろう、なんて考えてしまった。

 そんな僕でも、音楽は聴けないし、LINEも使えない。天気も電車の時間を確認できない。あらためて、スマホに頼ってしまっているのを実感した。

 いつもより少し早めに会社を出ると、アップルストアへ向かった。そういえば、予約時にメールで送信された予約番号は、スマホが壊れているので確認できない。聞かれたどうしようかと思ったけど、アップルのスタッフは名前だけで受け付けてくれた。

「まったく電源が入らないんですね。なるほど。それではこちらに繋いで、症状を確認してみますね」

 アップルのスタッフは、慣れた感じでお店のiPodに僕のiPhoneを繋いだ。それからしばらく画面を見つめた後で言った。

「完全に壊れてしまっているので、本体まるごと交換になりますね。お客様はアップルケアに入られているので、すべて無料で対応いたします」

 アップルケアに入っていたことをすっかり忘れていた僕は、無料であることにほっとして「分かりました。お願いします」と答えた。だけど、今のスマホのバックアップをいつとっていたのか気になった。

 そして、アップルのスタッフは、新しい(けれどかなり旧式の)iPhoneを持ってきて、初期設定をしてくれた。さらにバックアップをしていたマックブックに繋いで、以前の状態に復元するのを手伝ってもらった。そんなこんなで、6時半にアップルストアに着いて、すべての作業が終わったときには9時を過ぎていた。さっそくiPhoneに入っていたプレイリストの音楽を聴きながら、家に帰った。

 新品に交換したことで、カメラもちゃんと撮影できるし、バッテリーも新しくなってまったく問題なく使える。最新モデルに切り替えようと思っていた気持ちもなんとなく萎えてしまい、この旧式モデルともうしばらく付き合っていこうと思った。

 ちなみに、iPhoneのバックアップが取られていたのは昨年末で、1月以降の記録はすべてなくなってしまった。写真はカメラの調子が悪かったせいで、失った画像はそれほど多くないのだけど、ちょこちょことメモアプリに書いていた記録がなくなってしまったのは、ちょっとだけ痛手だった。トラベラーズノートをいつも持ち歩いているくせに、ふと思いついたブログのネタになりそうなことや、アイデア、何かで知って観たいと思っていた映画名や読もうとしていた本などの記録が3ヶ月なくなってしまった。

 最近は、読んだ本の名前と日付をそこに記録していたんだけど、1月から3月まで読んだ本の名前も消えた。あらためて記録しようと思ったけど、わずか3ヶ月分なのになかなか思い出せない。

 教訓その1。バックアップはこまめにとりましょう。

 教訓その2。これはもう今更言うまでもないのだけど、やっぱり記録はトラベラーズノートに。ちょっとした便利さにかまけてデジタルに頼ると、手痛い仕打ちを受けます。それにトラベラーズノートは、ちょっとやそっとのことでは壊れないし、壊れても修理できます。デジタルとアナログを対立するものだと考えるのではなく、それぞれの適正を知ってうまく使いましょう、ということですね。

 三寒四温とは言いますが、その気温の高低差が大き過ぎて、体調を崩している方も多いようです。皆様もご自愛ください。