2025年9月 8日

ダイアリーとトラベラーズタイムズ20号

 いよいよ今週、トラベラーズノートの2026ダイアリーが発売になります。カスタマイズシールをリフィルに貼って、トラベラーズファクトリーの店頭用サンプルも作りました。先週末には、トラベラーズファクトリーでの告知もアップ。今回もレザータグのプレゼントをご用意しています。

 このレザータグを最初にプレゼントしたのは、今から6年前の2020年ダイアリーの発売のときのこと。

 通常トラベラーズノートの革カバーは、タイのチェンマイで作られた後に、流山工場に送られる。そして、流山工場でそれをを1枚ずつ検品しながらノートリフィルにセットしている。その際に、大きな傷や汚れがあって、トラベラーズノートのカバーとして使うことができないものもいくつか出てきてしまう。そんな不良品のカバーをなんとか活かすことができないかと思ったのが、レザータグを作ったきっかけだった。

 おかげさまでこのレザータグの企画は、トラベラーズファクトリーで好評いただき、年々作る量を増やしていった。さらにここ何年かは、アメリカの直営オンランショップなどでも同じ企画を行って、さらに量が増えていった。そうすると、今度は不良品の革の確保が難しくなっていった。あくまでも不良品だから、それが増えるのは当然好ましいことではない。なので、日々チェンマイの工房とやりとりしながら、不良品がなるべく少なくなるように、努力をしている。それでゼロにはならないのだけど、レザータグの必要数分が確保できるかどうかは分からない。さらに量は増えるにつれて、流山工場での作業負荷も重くなっていった。

 そんな中、チェンマイの工房でも、革カバーを抜く際に、どうしてもカバーとして使えない余りの部分ができてしまう。不定形の一枚の革をトラベラーズノートのサイズに抜いていくと、その隙間が切れ端となって残ってしまうのだ。

 今年のレザータグをどうしようかと考えているときに、チェンマイの工房で、スタッフが、大量の革の切れ端を見せながら、「小さいパーツを使う商品があるといいんだけどね」と言っていたのを思い出した。トラベラーズノートを作るごとに生まれるその切れ端を少しでも消化できれば、革を有効活用できる。

 そこで、今までは不良品の革カバーをタグの形に抜くことから箔押しまでを流山工場でやっていたのだけど、それをチェンマイでやってもらうことにした。チェンマイの工房では、金や銀の箔をきれいに出すのは難しかったので、今回は素押しにして、その変わりに日本と比べるとコストが安い抜き型を、オリジナルにして作ることにしたのだ。試しに2種類のタグを作ってもらったら、どちらも良い感じだったので、2種類使うことにした。そんなわけで、できるだけ多くの方に行き渡るように昨年よりも少し多く作っています。ダイアリーとともに、レザータグも楽しみにしてもらえると嬉しいです。

 また、ダイアリーの発売とあわせて、トラベラーズタイムズの最新号の配布も同日より始まります。トラベラーズノートが発売した年から年に一度発行しているトラベラーズタイムズも今回は20号となる。

 記念すべき20号ということで、今回はトラベラーズノートをテーマに綴っている(まあ、いつもそうだとも言えるけど)。さらに「How Do You Use TRAVELER’S notebook」のコーナーは、香港映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』の原作者、余兒(ユーイー)氏にご登場いただいた。余兒氏については、そろそろ今年のトラベラーズタイムズの内容を考えないとな、なんて考えていた4月下旬に、いろいろ偶然が重なって、取材ができることになったんだけど、そのことにしては、タイムズの編集後記に書いたので、そちらを読んでいただければと思います。

20号ということで、香港のパトリックからはじまった「How Do You Use TRAVELER’S notebook」に登場いただいたトラベラーズノートユーザーの方も20人になる。付き合いの長い方だったり、ずっと憧れていた方だったり、さまざまな方にご協力いただいた。みなさんに感謝です。

 20号を並べてみると、なかなか感慨深い。全部重ねても少年ジャンプの半分にも満たないけれど、眺めていると「ああ、このときはこんなことがあったんだよな」なんて、20年分の思い出が蘇ってくる。1号を発行したのは、19年前になので、20冊が少しずつ紙の色が褪せている感じもアナログならでは嬉しい。

 そういえば、トラベラーズノート発売と同時に開設した公式サイトは、その後何回かリニューアルされて、今では発売当時のサイトを見ることができない(あれはあれでシンプルで好きだったんだよな)。その頃の記事は一部残っているけれど、実際に画面に映るレイアウトは変わってしまっている。だけど、紙でできているトラベラーズタイムズは、今でも20年前そのままの姿で残っている。デジタルになればなるほど、紙媒体の良さを実感できるのも、今だからこそなのかもしれないですね。

 トラベラーズノート 2026ダイアリーとレザータグ、そしてトラベラーズタイムズ20号をよろしくお願いします。