2007年9月19日

革の話

革の専門商社へ行く機会がありました。いろいろな革を見せていただきましたが、個人的にいいなあと思う革は、タンニンでなめして、染料で染めた革でした。
 
少し専門的な話になりますが、革には、植物性のタンニンなめしの革と、薬品を使ったクロムなめしがあります。また、革に色をつける工程には、革自体に色を染み込ませる染料で染める方法と、表面に塗装するように顔料をふく方法があります。トラベラーズノートの革は、この商社の商品ではありませんが、
タンニンなめした染料染めの革です。
 
商社の方が言った言葉が印象的でした。
 
「タンニンでなめして、染料で染めた革は様々なデメリットがあります。革1枚ごとに色ムラがあったり、革のシワや血筋が目立ちます。使っていても傷がつきやすかったりします。また、一般的に同じレベルの他の革に比べて、価格が高く、納期もかかり、縫製などの加工もしにくいことが多いです。その一方で、メリットは、その風合いと使っているうちに味が出る、という点です。しかし、これは、すべてのデメリット以上に大きな魅力だと思います」
 
その方は革のプロである以前に、本当に革が好きなんだなあ、ということが伝わってきました。
  
*値段や品質の件は、あくまでも一般的な話です。例えば、エルメスやヴィトンは、顔料で色付けした革も使用していますが、それらは、色の深みや風合いにこだわって厳選された高品質の革です。

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