2009年10月26日

The Stone Roses 20th Anniversary


 
ビートルズのリマスター盤が話題でしたが、大学時代に聴きまくっていたストーンローゼズのファーストもリマスター盤が発売されていました。
 
アルバムのリマスターに併せて、シングル集のリマスターとデモ集まで付けて20周年記念盤と銘打った豪華なセットになっています。デモ以外は今まで何度も編集盤が出ているので目新しいものではないのですが、つい買ってしまうのは、ストーンローゼズが自分にとって特別なバンドだからなのでしょうね。
 
ローゼズのファーストに出会ったのは、今から20年前の20歳の頃。さらにその20年前と言えば、ビートルズがアビーロードを発表した年。あの頃のビートルズと同じくらい昔のことなんですね。(なんて言っても、同世代でローゼズを聴いていた人以外には、共感しようもない話ですが)
 
時はバブル絶頂の80年代末期、ハードロックは様式美のヘビメタになってしまい、そして、ニューウェイブは内向きで暗いものか、能天気なユーロビートになっていき、現役バンドでシンパシーを抱くバンドが少なくなってきました。
 
そんな中で突然マンチェスターからあらわれたローゼズは、今までの鬱憤を吹き飛ばしてしまうインパクトがありました。その繊細で美しい旋律、ポジティブで高揚感のあるリズム、そして、大胆で自信溢れた発言や態度、どれをとっても、完璧なロックバンドでした。
 
バンドに無許可で不本意なビデオを作ったレーベルに抗議する際、ペンキをその会社の建物にぶちまけて、それ自体をアートにしてしまう、そんなセンスに単純にかっこいいな~なんて思ったりしました。
 
あれから20年というのが、なんとも感慨深い...。ロックを聴いたり、旅が好きだったりする人はきっと誰もがそうだったのかもしれないけど、あの頃は先の見える普通のサラリーマンなんてなりたくない、自分は何か特別な存在になりたいし、なるべきだなんて、うぬぼれていました。
 
20年後、なんとなく分かったのは、普通の存在なんて誰もいなくて、誰もがその人にとって特別な存在であること。先の見える普通のサラリーマンなんていうのもどこにも存在しない。サラリーマンであろうがなかろうが、自分が本当に信じるコトに、本気で取り組むことできっと何か成し遂げることが出来るってこと。そして、それは小さな感動の積み重ねから育っていくことなのかもしれません。
 
自分が今悩んだ時、ひとつの判断基準になるのが今まで感動したロックや本や映画、そして旅の経験。本気で自分が感動したことが、その後、自分にまた感動を与えてくれるためのヒントになっているような気がします。