2009年11月24日

盛岡の「てくり」と「光原社」


 
先日東北に出張へ行って来たチームトラベラーズの女子2名が、岩手盛岡で美味しいコーヒー豆と一緒に「てくり」という盛岡で発行されているリトルプレスを買ってきました。
 
盛岡と言えば、もう10年以上前ですが、仙台に住んでいる時によく仕事で行った場所。城下町特有の品の良さが感じられる街で、地元の人達もそんな街に誇りを持って暮らしているのが印象的でした。「てくり」も盛岡への誇りと愛に満ちた素敵なリトルプレスです。
 
盛岡に行くと聞いて、盛岡冷麺やじゃじゃ麺とともに、ぜひ行った方が良いと薦めたのが「光原社」。光原社は宮沢賢治の童話集「注文の多い料理店」を初めて発行した出版社で、その社名も宮沢賢治によって名付けられました。賢治の没後、民芸品を扱うようになり、現在では可否館と呼ばれるカフェが併設された素敵なお店として営業しています。
 
狭い入り口を抜けると、石畳の中庭が広がってレンガと漆喰の建物に、雨ニモマケズの一節が書かれていて、その和洋折衷の懐かしい風景はまさしく宮沢賢治の世界観を感じさせてくれる場所になっています。
 
このお店が素晴らしいのは、日本全国の伝統的な技術を活かしたモノ作りの良さを伝えて行こうというする姿勢です。ここでは、半世紀以上にわたって北東北を中心に日本各地の漆器や焼き物、手編みの籠など工芸品を扱ってきました。失われようとしているこれらの伝統的な技がなんとかまだ残っているのは、このようなお店が作り手と使い人との素敵な出会いの場所を演出してくれていることも大きいはずです。
 
「てくり」を読んでいると、Holtzcartaなど光原社とはまた違った視点で古い技術やものを大切にする暮らしを教えてくれる新しいお店が盛岡に出来ているようです。
 
久しぶりに盛岡をゆっくり歩きたくなりました。なんだか最近、地方の街が面白いなあ。