日本一周自転車旅 敦賀ー倉敷
福井県の敦賀を出発した今年の日本一周自転車旅の最終地は、岡山県倉敷でした。倉敷では、思いがけず倉敷に遊びに来ていた友人にも出会えて、楽しい時間を過ごすことができました。翌日に瀬戸内海沿いの貸切サウナに行くから、一緒に来ませんか? という心惹かれる誘いを振り切り、倉敷を夕方出発。岡山で新幹線に乗ると、夜9時過ぎに東京駅に着きました。
そのまま家に帰れない時間ではないけれど、旅の疲れを癒したくて、上野にあるお気に入りのサウナ付きカプセルホテルに一泊。熱いお風呂に入ると、日に焼けた手足に染みます。結局、お風呂には入らずに水風呂を浴びて、サウナに入りました。サウナから上がり、外気浴をしているとあまりにも気持ちよくて、しばらく眠ってしまいました。翌朝、ホテルをチェックアウトして、近くのカフェでモーニングを食べながら、このブログを書いています。
自転車旅の前半は雨の中で進んでいたけれど、大阪を過ぎると今度一転して、快晴に変わりました。大阪城に立ち寄った後に、神戸に向けて走っていると空を覆っていた雲が晴れて、太陽が顔を出してきました。僕は日射病を気にして、てぬぐいを帽子のように頭にかけてしばりました。走っていると、Tシャツから出ている腕と短パンから出ている膝に強烈な日差しが当たるのが分かります。数時間走るとその部分の肌の色は真っ赤に変わりました。
それでも、雨よりも晴れていた方がいいですね。汗をぬぐって胸が高鳴るのを感じながらペダルを漕ぎました。神戸で泊まったのは、始めて訪れる人気のサウナ付きカプセルホテル。フィンランド式の心地よいサウナに入ったあとに、冷え冷えの水風呂に浸かり、椅子に座ってくつろいでいると、2年前に行ったフィンランドのサウナ巡りの旅を思い出します。神戸では、地元名物らしいものでも食べようと外に出て、明石焼きとそばめしをいただいた。やはり晴れていると活動的になります。
神戸の次は姫路まで。この日も猛暑の中を海沿いの道をひたすら進んでいきます。明石を走っていると、淡路島に向かう明石海峡大橋が見えてきました。ちょうど16年前の夏、この橋を渡って徳島のアアルトコーヒーを訪れたのを思い出します。あのときは、台風が来ていて激しい雨の中であの橋を渡ったんだよなあ。途中、加古川の温浴施設で2時間ほど休むと、まずは姫路城を目指して再び走りました。姫路城に着いたのはもうすぐ暗くなる時間。遠くに見える姫路城をバックに写真を撮ると、市内から少し離れた場所にあるこの日の宿に向かいました。
そして、翌日は姫路から岡山。この日はこの旅で最も長い距離になります。朝7時半に宿を出て、1時間ほど走るとドライブインで朝食。そんな感じで休み休み進んでいくことにします。ゆるやかなアップダウンが続く山道を走っていて、そろそろコーヒーでも飲んで休みたいと思っていたころに、趣きのある駅を発見。駅にカフェが併設されていたので、そこで休憩をすることにしました。このあたりは備前焼の窯元が多いとのことで、コーヒーカップにお皿もすべて備前焼。コーヒーもおいしいし、雰囲気もいいし、北欧家具のような椅子の座り心地もいい。思いがけず居心地のいい場所を見つけて、長居をしたくなり、クロックムッシュとデザートのケーキまでオーダーしてゆっくり昼食をとることにしました。すぐ近くには、備前市美術館があって、そこで特別展として「ピカソの陶芸」展をやっているとのことで、見ていきました。
備前市から岡山までは約25キロ。次の目標を岡山市内の温浴施設に決めて、一気に走りました。この日の岡山の最高予想気温は37度。熱中症警戒アラートも発令されています。日陰と日向の体感温度の差が激しい。こまめに水分補給をしながら走り続け、温浴施設に着くとサウナに入る前に水風呂に浸かって火照った体を冷やしました。
岡山ではホテルの予約日を間違えていて、急遽別のビジネスホテルに泊まることになる、なんていうちょっとしたアクシデントもあったけれど、倉敷在住の青山が岡山に来てくれて、夜ご飯を付き合ってくれました。
そして、最終日は倉敷。岡山から倉敷はわずか17キロ。朝ホテルを出ると、カフェでゆっくりモーニングメニューの朝食を食べて、途中、青山が薦めてくれた吉備津神社に立ち寄り、お昼頃には倉敷に着きました。倉敷では、まずはT.S.L 倉敷を訪問。ここは、トラベラーズカンパニーパートナーショップで、スタッフも知っている人ばかり。まさに今回の終着地にふさわしい場所です。
お店の前に自転車を置いて写真を撮ったり、ノートにスタンプを押したり、スタッフとゆっくり話をして過ごしました。今回は、新幹線に乗る前にトラベラーズファクトリーステーションに立ち寄り、さらに雨の中で京都にも立ち寄って、最後はT.S.L 倉敷ということで、トラベラーズの拠点を巡る旅にもなったのも嬉しい。トラベラーズファクトリー京都では、T.S.L 倉敷に行った後に立ち寄ってくれたり、これから倉敷に行くんですと言うお客さんがよく来てくれます。でも、トラベラーズファクトリー京都からT.S.L 倉敷まで自転車で行った人は、ほとんどいないんじゃないかな。まっすぐ行けば距離にして220キロ。自転車好きの方にはおすすめのルートです。
そんなわけで、今年も事故することもなく、熱射病にもならず、無事日本一周自転車旅を終えることができました。この先のルートも悩ましい。尾道から瀬戸内しまなみ海道を渡って四国に行くという魅惑的なコースもあるし、まずは下関を目指すというコースもあるし、とりあえず来年までゆっくり悩みたいと思います。