2010年1月27日

チェンマイの工房


 
トラベラーズノートのカバーは、チェンマイの若い夫婦2人で運営されている小さな工房で作られています。その工房は、チェンマイの郊外、大通りから細い道に入り込み、まわりに草木が生い茂る舗装がされていない土の道を進んだ場所にあります。
 
この工房では5~6人の近所に住む女性たちが、ゴザのようなものを敷いた床に座って作業しています。床に座って仕事をする姿は、タイの他の場所でも何度か見かけたあるので、気温が高いこの国の伝統的なスタイルなのかもしれません。カメラを向けると、戯けた笑顔を見せてくれました。タイの人特有の穏やかな明るさを感じることができます。
 
私たちがよく仕事で行く中国の工場はもっと大規模で、それぞれの作業が分業化されシステマチックに工程が進んで行きます。ラインを組んで、一人の人が細かい作業を繰り返し行い、隣の人に受け渡して行きます。それはそれで、効率化を突き詰めた方法であることは否定できませんが、このチェンマイの工房のように、少数のスタッフが向かい合って床に座ってしている姿に、ほっとした感情を抱いてしまうのは、きっと働いている人の笑顔をより多く見れるからなのかもしれません。
 
商品として出荷する前には、最終的な検品を日本でもう一度する必要があったしますが、ここを訪れるたびに、この場所でここに暮らす人たちと一緒にモノ作りが出来ることの喜びを実感します。
 
トラベラーズノートの自由で温かみを感じる佇まい、それは設計図や仕様書には現れてこない作る人や場所の空気感のようなものから出て来ているのだと思います。トラベラーズノートを手にした時に、タイ、チェンマイの穏やかな空気、そしてそこに暮らす人々のやさしい笑顔を少しだけでも感じて頂ければ嬉しいです。
 

 

 
革が入荷すると、まず革の型抜きを専門で行っている工場でトラベラーズノートの形に抜いていきます。この工程は、革の知識や特性を知る職人によって行われます。
 

 
ゴムを留める錫製の金具は、このような形から出来上がります。
 
 

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