2010年5月27日

cafe vivement dimanche (鎌倉)


 
音楽は、耳に触れる空間や時間、その時の気分などで、印象が変わる場合が多いですよね。
 
例えば、知っている曲が映画でかかったりして、今までそれほど印象がなかった曲が、大好きな曲に変わってしまうのはよくあることです。キンクスのアルバム「ローラ対パワーマン」はまあまあ好きなアルバムだったんだけど、映画「ダージリン急行」を見た後には、大好きなアルバムになったし。
 
ビートルズとかジミヘンみたいな音楽は、最近自分でCDを選んで流したりすることはほとんどないんだけど、たまに好きな場所で偶然流れてくると、やっぱりいいな~とか思ったり。
 
ビーチボーイズの「ペットサウンズ」は、その時の心の状態によって、何年かごとに、聴かずにいられなくなるんだけど、今はまさに聴かずにいらない時期で、2、3日に一回は聴いているし。
 
ヴィレッジヴァンガードの手書きPOPで、ブルーノートの名盤、ソニー・クラークの「クール・ストラッティン」に添えられた「僕はこのアルバムを流したくて、お店を開いた」っていうような内容のものがあったというのを昔何かで読んだ事あるのですが、その気持ち、すごくよく分かるんです。
 
空間を作るということは、そこにいる人の心の状態を演出することでもあって、その時に映画のBGMのように音楽ってとても大事なものでもあるんですよね。わくわくしたり、ドキドキしたり、前向きになったり、気持ちが穏やかになったり、そんな気分を演出されるような空間を作ることは、きっと映画を作ることと同じで文化を作るということなのかもしれません。
 
鎌倉のカフェ・ヴィヴィモン・ディモンシュは他の優れたカフェがそうであるように、まさに文化を作り、発信しているカフェ。
 
コーヒーの主要原産国のひとつであるブラジルの音楽に造詣の深い店主は、カフェを拠点に、イベントや本などでブラジル音楽を広めようとさまざまな活動をしています。美味しいコーヒーを素敵な空間で味わってもらうということを起点に、そこから発展していく素敵な暮らしを演出するための文化を創造しているのです。例えばこのコーヒーの味に似合う最適の音楽はなんだろう?っていうことを突き詰めることから始まり発展したのだと思います。
 
だからこそ、それは押し付けがましいものではなく、このカフェでコーヒーを飲んで、この空間が好きになった時に、次の奥行きがさりげなく用意されているといった感じ。このカフェを訪れると、コーヒー豆から広がった世界の可能性を見せてもらうことができます。もちろん音楽以外にもたくさんのこだわり満載です。
 
そう言えば、このカフェを訪れたら、久しぶりにジョアン・ジルベルトのボサノバが聴きたくなりました。
 
ノートから広がる世界。こちらもいろいろ創造中です。
 

 

 

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