真鍮と暮らす
ブラスプロダクトを自分で使い始めて半年ほど経ち、良い感じに経年変化をしてきました。
特に手に触れる機会の多いペンは、全体的にツヤが消えて温かみのある深い色に変化してきました。スリットや刻印の部分が濃い茶色になり、ボディ全体の自然が作り出す微かなまだら模様とのコントラストが美しく、使い込まれた道具が持つ凛とした佇まいを醸し出すようになりました。手持ち無沙汰の時に、意味もなく手に取り、いじったりするのも楽しくて、それによってさらに変化していくことが、愛着を増幅させてくれます。
ちょうどこのペンと同じ時期に使い始めた無垢のブラスのジッポーライターも同じように、美しい色合いを見せてくれるようになりました。ペンもライターも、いつも身につけて持ち歩き、毎日頻繁に使う道具です。そんな日常の道具に愛着を感じられるようになると、日々の生活がすこしだけ豊かになったような気がするのです。
紙に何かを書き留める時、タバコに火を灯す時、使う行為にいたるまでのちょっとした所作、その時に感じる手に触れる感触や金属の重み、その音や色、そんなことを意識的に向かい合い楽しむことができるだけで、日々の生活が愛おしくなってくるのです。
そして、さらに使い続けることでこれらの道具たちがこれからどんな風に変化していくのだろう・・・。 それを想像するのもまた楽しいのです。