2011年1月17日

The Social Network


 
海外行きの飛行機に乗ったときの楽しみに日本で公開前の洋画が見られることがあります。先日の香港行きの際には、日本で公開直前だった「ソーシャル・ネットワーク」を見ることができました。前に予告編を見たとき、聖歌隊のような歌声のレイディオヘッドの名曲「クリープ」のカバーがとても印象的で、気になっていた映画でした。
 
「ソーシャル・ネットワーク」は、世界最大のSNSサイト、フェイスブックを創設したマーク・ザッカーバーグをモデルに描いた映画。ハーバード大学の学生だった主人公が、友人らと一緒にフェイスブックを作り上げていき、さらに仲間との確執やさまざまなトラブルを経験しながら世界で最も若い億万長者となるまで成功していく。
 
いろいろな見方のできる映画だと思いますがなにより感動したのは、主人公マークのフェイスブックへの強い情熱と愛情。振られた女性に認めてもらうためとか、権威的な人々に対する反骨精神、アイデアの借用、裏切り、巨万の富など、彼の成功のさまざまな要因が伏線として描かれていますが、あたらしい何かを産み出し、それを育て上げていくには何よりも作り手の一貫した強い想いが一番大事だということを語っているように思いました。なんとか収益を出そうと街を歩き、やっとの思いでスポンサーを探してきた共同経営者の友人を、主人公が広告を載せるなんてクールじゃないよと、一蹴してしまうシーンが印象的でした。
 
それにしてもネット業界のスピードの早さは凄いですね。この映画の中の話だって、わずか5年前の話。新聞で見たのですが、数年前までSNSの覇者といわれていたアメリカのマイスペースはフェイスブックに押されて従業員の半数をリストラするとのこと。悪名高いナップスターの創業者も映画のなかで重要な役割を果たしていたりしますが、それもすっかり過去の話。ネットをうまく利用しながらも、やっぱりリアルで息の長い物づくりや人間関係を構築していきたいなあとも考えたりしました。