2012年2月23日

チャルカがやってくる


 
チャルカさんは「東欧雑貨買いつけ旅日記」を読んで以来、ずっと気になっていたお店で、旅好きの人なら誰もが思う、旅を仕事にするということをとても素敵に楽しく実践している姿に、大きな憧れと共感を抱いていました。自分たちが心から好きでいいなあと思うものを、自分たちの手で作ったり、集めてきたりして、お客様に届ける。大阪のお店に行くと、そんな店主やスタッフの想いをとても深く感じることができます。
 
異国情緒を感じさせながらも、どこか懐かしい東欧の文具や雑貨をいち早く紹介したり、ちょっと無骨で荒っぽく、ざっくりした風合いのある紙や印刷物をアジ紙と呼んで、脚光を浴びさせる。お店自体は大きくありませんが、新しい文化を作っていくという心意気と、魅力的なモノやコトを見つけるセンスに溢れているのです。
 
店主の久保さんとお会いしたとき、チェコの風合いのある紙を使って現地で作ったオリジナルのノートを見せてくれました。ざっくりした風合いのある厚いボール紙の表紙に、クラフトの中紙を綴じたノートで、断裁にずれがあったり、紙が反り返っていたりするのですが、そのラフさが、日本のきちんとしたノートにはない大陸的なおおらかさを感じさせてくれるまさにアジ紙のノートでした。そのノートを手に取りながら、こんなノートが好きなんです、とおっしゃるのを聞き、やっぱり本に書いてある通りの方だなあと思いました。
 
そのノートに使われている紙は、普段から仕事で紙を扱っている私たちから見たら、本当に扱いにくそうな紙でした。機械に通して製本をしたら、そのラフさゆえに機械が止まったりして、作業効率が悪そうでなんとか作ってもその仕上がりもまた、ラフでムラがあるため、それをきちんとお客様に理解してもらった上で買ってもらわなければならない。つまり、作るのも、売るのも面倒で、手間のかかる紙なのです。
 
ぼくらが作っているトラベラーズノートの革にも同じような問題があるので、その大変さは、とても理解できました。そんな話をすると、よくぞ言ってくれたとばかりに、苦労話を話してくれました。チャルカさんのそのノートは、作業効率や売上よりも大切にしていることがある、という彼らの姿勢を象徴しているようなノートでした。そのまま話の流れで、トラベラーズファクトリーで一緒にイベントをやりたいという私たちの願いを快く受け入れていただきました。
 
旅ノートを作っているモノ同士のコラボレーション。私たち自身もとても楽しみなイベントです。ぜひ、遊びにきてください。
  

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