JACKSON POLLOCK
「生誕100年ジャクソン・ポロック展」へ行ってきました。ポロックを知ったのは、英国のロックバンド、ストーン・ローゼズの1stアルバムがきっかけです。このアルバムのペンキを散らしたようなアートワークは、ギターのジョン・スクワイアーによるものですが、彼自身がポロック風に描いたと語っているのを何かで読んで、その名前を知りました。初期のライブ映像を見ると、ギターやドラムなどにも同様のアートワークが施されていて、彼らの音楽性を示すアイコンのような役割をしていました。
学生時代には、私もギターやジーパンにタミヤのプラモデル用の塗料でポロック風のペイントして、マネをしていました。さらにその延長で、トラベラーズノートの2008年版のダイアリーに封入されていたダイアリーガイドに、ポロック風カスタマイズのトラベラーズノートの写真を掲載したりしました。
さて、ポロック展では、初期のまだ自己を探求する過程の作品から、アクションペインティングを生み出した成熟期、そして、あっさりその技法を捨て、新しい方向を模索ながら苦悩し、44歳の若さで人生を終えるまでを、一連の流れで見ることができました。圧巻は、横幅が2m以上もある大きなキャンバスに描かれた絵。
全盛期の彼の絵の魅力は、それまでの絵の概念をまったく覆すほど革新的でありながら、とても分かりやすく美しいこと。その絵を眺めていると、混沌とした世界のなかで、一つの強い意志が、自由にポジティブに躍動を始める姿に直面するかのような体験を与えてくれるのです。見ているだけで創造性を喚起され、何かを始めたくなってしまう。そんな絵なのです。やっぱり本物を見ることは大事ですね。パワーとアイデアをもらうことができました。