2012年6月21日

CARNETS DE VOYAGE


 
パリにmerci<というステキなお店があるらしい。そんな話を聞いたのは数年前のこと。子供服ブランドの創業者が、何か世の中に貢献できることがないかという考え、収益をアフリカの子供たちを支援する団体に寄付するという考えのもと作ったお店。でも、そのことはあまりお店の表には出さず、毎日の生活が楽しくなるような雑貨や服、家具などを高級品から低価格のものまで価格帯にこだわらず独自の視点でセレクトしている。
 
壁紙工場だった古い建物をスタッフみんなでリノベーションして作り上げた空間。古本が天井まである棚に積み上げられた併設のブックカフェ。中庭に象徴的に鎮座するフィアットには、イベントごとにボンネットに家財道具が積まれたり、消防隊員のマネキンが登っていたりする、遊び心いっぱいのディスプレイ。さらに、そのセレクトにトラベラーズノートと仲間たちの一部を加えてくれたのを聞くと、いつか行ってみたいという気持ちがどんどん膨らんできました。
 
今年の春、私たちがその場所に足を運ぶ前にmerciのスタッフが、トラベラーズファクトリーに足を運んでくれました。そして、私たちの空間やプロダクトに共感してくれて、今回のイベントの内容が決まりました。
 
国も人種も違いますが、モノの見方や考え方のどこかに共通する想いがあることが分かると楽しそうなイベントのイメージが、それぞれの頭の中に浮かんできました。merciは、世界的に有名なお店ですが、その内情は少ないスタッフによる手作りに近い運営のようで、イベントの内容から日程まで、その場でお互いに話をしながらバタバタと決めていきました。
 
イベント限定のステッカーは、旅人こそきちんとありがとうと伝えることが大事なんだよ・・・というmerciのマネージャー、ジャンさんの言葉をもとに、デザイナーのハシモトがデザインを起こしました。merciの象徴フィアットとトラベラーズノートを筆頭に、旅のモチーフをあしらった、メルシー(ありがとう)のメッセージをさりげなく伝えられるシールです。
 
イベントの名前、CARNETS DE VOYAGEもジャンさんが名付けてくれました。フランス語で、旅ノートとか旅日記という意味なのですが、より広義に紀行文学や、ランボーやボードレールなどの旅のなかで生まれた文学もさすそうです。トラベラーズノートのフランス上陸イベントにぴったりなイメージで私も気に入っています。
 
トラベラーズファクトリーでも7月に連動企画を行います。イベント限定ステッカーの販売やmerciがある北マレと中目黒をつなげるオリジナルスタンプを設置したりしますので、こちらも楽しみにしてください!
 
そんなわけで、22日より久しぶりのヨーロッパへ行ってきます。今回はさらにトラベラーズノートの販売代理店があるアムステルダムとロンドンにも足を運んできます。どちらも個人経営の小さな会社ですが、トラベラーズノートが好きでそれをヨーロッパに広めたいという気持ちで、販売してくれている方々です。彼らと会うのも楽しみ。
 
イベントの模様や旅先で見つけたあれこれは、こちらでも紹介したいと思います。では、行ってきます。