2013年9月24日

旅と紅茶

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ぼくはどちらかと言うと普段はコーヒーばかり飲んでいるのだけど、旅の飲み物というと、紅茶が浮かんできます。コーヒーでも紅茶でも、旅先ではなるべくその土地に根ざしたものを飲むようにしていて、それはやっぱり土地柄や気候、空気にあっているから美味しいということもあるけど、それ以上にその味を覚えただけでその土地に馴染んだような気分になれるのが嬉しいということの方が本当の理由のような気がします。要は気分の問題。
 
例えば、何年ぶりかの香港でもなじみの茶餐廳で香港式のミルクティーを飲んだだけで、その土地に馴染んだような気分になって、颯爽と街に繰り出すことができるのです。インドで飲んでいたチャイは、最初は甘過ぎて辟易していたけど、我慢して飲み続けているうちに、あの暑さのなかで飲むには具合がいいことを知って病みつきになって、あの味はインドの混沌とした街並みの記憶とともにしっかりと記憶に刻まれています。トルコでは、チューリップ型の小さなグラスに入った濃い目の紅茶が出てきます。それに角砂糖を入れて甘くして飲む。お茶が飲めるチャイハネはいたる所にあるし、お店やオフィスでもよく出てくるので、旅の間ほとんどの水分を紅茶で補うことになります。
 
そんな風にアジアの旅先では、紅茶ばかり飲んでいたような気がします。ミルクや砂糖が入った甘い紅茶を飲めるようになったのはそれらの旅以降のことで、今でも口にすると、旅の日々を思い出します。
 
teteriaの大西進さんの本「はじめての紅茶」を読むと、その紅茶のことがやさしく丁寧に書かれていて、ストレートに向いている紅茶とミルクティーに向いている紅茶の製法に違いがあって、さらにそれぞれ美味しく飲める淹れ方があることも分かりました。
コーヒーもそうですが、ちょっとしたコツが分かるだけで、驚くほど美味しくなるんですよね。
 
10月13日にトラベラーズファクトリーで開催するイベント「旅人のための、ハープとギターと紅茶の時間」では、tico moonのライブとあわせてteteriaの大西さんによる紅茶の淹れ方教室も行います。こちらでは、実際に大西さんが淹れてくれた紅茶を味わいながら、その説明を聞くことができます。体験することで、いままでぼんやりしていた紅茶の世界がクリアになりそうで今から楽しみ。個人的には、美味しいインド風チャイの淹れ方をマスターして、レパートリーに加えたいです。
 
tico moonの優しいアコースティックの音色に身を浸しながら、美味しい紅茶とお菓子をいただきさらに、紅茶のことも学べてしまうという、深まる秋にぴったりのなんとも贅沢なイベントです。きっと旅のようなひとときを味わえるはずです。こちらで予約受付中です。
 
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