2014年6月16日

A Letter Home

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ニール・ヤングのあたらしいアルバム「ア・レター・ホーム」が素晴らしく、最近よく聴いています。歴史的な名盤が何枚もあって音楽的な評価も定まっている今も、毎年のようにアルバムをリリースし、老成することなく常にあたらしいアプローチで挑戦的な作品を作り続けているニール・ヤング。
 
そんな彼の最新作は、彼が影響を受けたという名曲のカバーアルバムで、特徴的なのは、ヴォイスグラフという1947年に作られた録音機材を使いレコーディングされていること。これは当時、アメリカの観光地に置かれていた電話ボックスのような録音機材で、観光の記念にボックスに入り、声を録音するとその場でレコードとしてカッティングされていくというものだったそうです。
 
ポートランドのACE HOTELで見た、昔の白黒証明写真撮影機の、音バージョンといったところでしょうか。そんなわけで、音もノイズが目立ち、時々割れていたりして、決してきれいな音ではありません。だけど、色あせた白黒の写真のような味わいがあり、むしろ彼の声やギターの響きがリアルに心に届くような気がします。そして、それは単なるノスタルジックでなく、今この時代に鳴らされるべき必然性をも感じるのです。ニール・ヤングを初めて聴いてみようという方にお薦めするアルバムではありませんが、かつて彼の名盤と呼ばれるアルバムを聴き込んだ経験がある方には、お薦めの作品です。
 
あと、80年代にネオアコの中心で活躍していたアズティック・カメラのロディ・フレイムも最近あたらしいアルバムをリリースしていて、これも良いのです。ジャケットの写真の通りかつての若々しさがなくなり、大人としての落ち着きや余裕を感じながらも、アズカメのポップなキラキラ感もしっかりあって、今しかできないであろう音になっています。若くて新しい才能もいいですが、既に成功している先人たちが尚も新しい挑戦をし続けて行く姿にはとても刺激を受けます。
 
話変わって、本日トラベラーズファクトリーHPにて、トラベラーズファクトリー エアポートのオープンにあわせてリリースするプロダクトの一部の情報をアップする予定です。ぼくらにとっての新しい挑戦でもありますが、楽しみにしていただけると嬉しいです!
 
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