コーヒーの思い出
別にハイカラな家庭に育った訳ではないのですが(下町の商売人の家だったから、どちらかと言うとガサツな方だった)、両親がともにコーヒー好きだったこともあって、子供の頃から、母親がハンドドリップで淹れてくれたコーヒーを飲んで育ちました。いつから飲み始めたのかは覚えていないけど、中学生の頃には日常的にコーヒーを飲んでいたような気がします。でも、当時はコーヒーが好きなんて思うこともなく、お米やみそ汁のように、何も考えず毎日の習慣のとして口にしていました。
その後、就職をして一人暮らしを始めると、自然とサーバーやフィルターを買って自分で淹れるようになりました。その頃住んでいたアパートの近所にコーヒー豆屋があって、そこでいつもコーヒーを買っていました。自分で買うようになると、豆の種類の多さに驚き、いろいろ試してみたくなりました。そのうち、なんとなく自分の好きな味は深煎りのコクがあるコーヒーだということが分かってきました。そういえば、そのお店は豆を買うごとにスタンプを押してくれて、いっぱいになると100gで1500円以上するブルーマウンテンがもらえたんだけど、美味しかったかどうかは覚えていません。
何より美味しいなあと思ったのは、お店で挽いてもらった豆を家に持ち帰り最初に淹れたコーヒー。封を開けた瞬間、コーヒーの香りが広がり、お湯を注ぐとぶくぶくと粉が膨らんでいくのを見るだけで、気分は高まりました。豆を自分で挽けば、いつもそんなコーヒーが楽しめるのかと思い、ミルを買ったのも、その近所の豆屋さん。そのミルは、20年以上経った今でも現役で使っています。
その頃は営業の仕事で、車で外回りをしていたこともあり、缶コーヒーを飲む機会も多くありました。寒い冬の夜に高速道路のパーキングで飲む缶コーヒーもあれはあれで美味しかったりします。
ぼくにとってコーヒーは、音楽を聴いたり、本を読んだりすることと似ていて、日常の生活に自然と寄り添っているものであり、同時に、ちょっとした安らぎや感動を与えてくれるもの。なければないで、生きていくことはできるけど、それがない人生はなんだか味気なく、寂しい。時には一杯のコーヒーが、大きな勇気を与えてくれることもあります。アアルトコーヒーの庄野さんがぼくらのために作ってくれたトラベラーズブレンドを最初に飲んだ時もそうだったなあ。
そんなことを考えていると、トラベラーズノートもまた、コーヒーに似ているような気もします。
さて、今月のトラベラーズファクトリーはコーヒー月間です。アアルトコーヒーさんより、いつものトラベラーズブレンドに加え、アアルトブレンド、アルヴァーブレンドや6種類のストレートをご用意していただきました。ぜひ飲み比べてみて、それぞれのお好みの味を探してみてください。17日には、カフェイベントも開催します。
また、今週末の10日(土)には、新年初のイベントとして、NEW YEAR & TRIPを開催。福引きガチャガチャとあわせて、トラベラーズブレンドの振る舞いコーヒーもありますので、ぜひ、遊びにきてください。