中学2年生
現在、中学2年生の娘は、思春期まっさかりといった感じで、部屋にこもってお気に入りのバンドのライブのDVDを何度も見てばかりで親の言うことなんてぜんぜん聞きません。でも自分のあの頃を振り返ってみると、その感覚は痛いほどよく分かるので心配というより、まあ、いろいろ大変だけどがんばれという感じで、あまり余計なことは言わずに見守っていたりします。
ぼくが中学2年の時も、学校も家もなんだか居心地が悪かったし、部屋のなかでひとりでいることが多かったのです。小学生の時は足が速いと思っていたので陸上部に入ったけど、中学生になったらそうでもないことに気付いて、部活は惰性で続けていました。陸上の良いところは個人競技であることで、それ故、能力が低くても他に迷惑をかける訳ではないので、だらだら練習している人がいても、だまって放置するようなところがあったのです。
スポーツが苦手でコミュニケーション能力が低い、ひねくれ者の少年にとって、学校はそれほど楽しい場所ではありませんでした。そんななかでの心の拠り所は、本と音楽で、この頃が今までのなかで最も読書と音楽観賞に時間を費やしていたような気がします。本や音楽に浸かることで、ここではないどこか、自分がしっくりくるような場所を夢見たり、探してしていたような気がします。
あれから30年。最近やっと分かったのは、今の場所を居心地の良い場所にするのも、悪い場所にするのも結局自分次第でしかないということ。気持ちの良い環境を作り、気持ちの良い人たちを大切にし、気持ちをこめて仕事をする。もちろん今でも、しっくりこないことはしばしばあって、中学2年生の頃のように、もんもんとすることもあるけど、そんな不完全で未熟な状態こそぼくらに力を与えてくれたりします。
完全にしっくりくることなんて永遠にないのかもしれないけど、そこに向かっていくバタバタしている未完成の状態こそが、とてもしっくりくるのです。
中学2年のぼくに会えたらこう伝えたいな。
「居場所はいくら探しても見つからないけど、本気で作ろうと思って行動すれば、どこだってそこが居場所になるんだよ」
でも、それをどうにもできない未熟さこそ中学2年生なんでしょうね。