2016年6月20日

旅用スピーカー

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ぼくが好きなプロダクトってなんだろう。いつも手にして持ち歩きたくなるようなもので、使うほどに味がでたり、愛着がわくようなもの。シンプルなんだけど、作り手の創意工夫や遊び心が感じられる。

そして一番大切なのは、そのプロダクトを手にしたときに、ワクワクするような体験や新しい暮らしを想像できること。トラベラーズノートなど、ぼくらが作るものは常にそうありたいと考えているし、そう思えるようなプロダクトに出会うと嬉しい。お店を持つ醍醐味のひとつは、そんなプロダクトをみんなに紹介することでもある。
 
最近、トラベラーズファクトリーで扱うことになった、iPhone用のスピーカー、Eau Acusticoもそんなプロダクトのひとつ。中がホラ貝のような構造になっている木の箱にiPhoneを立てて、iPhoneの小さなスピーカーの音を反響させることによって増幅させる電池いらずのスピーカーだ。
 
バスレフ型スピーカーの原理を応用した構造は、昔、よくFM雑誌やオーディオ雑誌に設計図が掲載されていた、長岡鉄男氏設計の自作スピーカーのようで、高校生の頃に夢中になって作ったのを思い出させてくれる。天然木を使って、会津の木工職人が丁寧に作ったその質感は、温かくて美しい。電源を必要としないシンプルさと、iPhoneの小さなスピーカーの音を増幅させるというコロンブスの卵的な発想。
 
手にして音を鳴らした瞬間、旅先のホテルの部屋で自分が使っているシーンが頭に浮かんだ。ないと困るようなものではないけど、あれば、日々の暮らしに音楽が欠かせないぼくにとって、旅が今よりも楽しく充実したものになりそうな予感がした。売れるかどうかはよく分からないけど、まずは自分が欲しいと思ったし、旅の道具としてトラベラーズファクトリーで扱いたいと思った。
 
実は先日のキャンプにも持って行ったのだけど、少し控えめな温かみのある音は、焚き火のBGMにぴったりだった。低音を効かせた激しい音楽には向かないけど、旅先でひとりで聴くには、音数の少ないアコースティックサウンドやアンビエントミュージックの方が似合っているし、そんな音を静かに鳴らすのにはぴったりだ。iPhone6用として作られているけど、5も4も使えるので、使わなくなったiPhoneを音楽再生専用に使うのもいい。
 
なんだか、製品レビューみたいになってしまったけど、お気に入りのプロダクトに出会えてうれしくなって、ついつい語ってしまいました。こちらはトラベラーズファクトリーの中目黒とエアポートで販売しています。ぜひ、スタッフに声をかけてお手持ちのiPhoneをのせて音を出してみてください。って宣伝も忘れずにね・・・。