2016年8月22日

映画と音楽

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トラベラーズサマフェスの打ち上げで山田さんが映画『シング・ストリート未来へのうた』を勧めてくれたんだけど、ジャムのTown Called Malice が流れる予告をネットで見たら、もうたまらなくなって映画館まで観に行った。
 
舞台は80代のアイルランド、ダブリン。簡単に言ってしまうと、報われない高校生活を過ごしていた主人公が友人とバンドを組むことによって、成長していく姿を描いている映画なんだけど、デュランデュランやホール&オーツ、ジョー・ジャクソンなど、自分が中学生になり音楽を本格的に聴き始めた時代の曲が象徴的に使われ、さらにバンドを組んでメンバー達と曲を作り上げていくシーン、冴えない少年たちが音楽とともに輝きを増していく姿など、共感できるところが多くて、終始心がときめきっぱなしの2時間強だった。笑われることを恐れず、本気で仲間たちと何かを作り上げていくことの喜びと、それに伴うほんの少しの哀しみ。かつてのそんな記憶を呼び覚ましてくれる素敵な映画だった。
 
主人公が、音楽的な師匠のような存在の兄に恋愛相談をするシーン。相手の女の子の悲しみを知り、どうしていいか分からないという弟に、「There are Happy Sad(ここには幸せな悲しみがある)」と言ってキュアーのアルバムを投げ渡し、In Between Days のイントロが流れてくる。もうそれだけで、僕は目頭が熱くなってきて、あれから何度もそのアルバムを聴きまくっている。
 
何度も聴いたことのある曲が、とても印象的なシーンでかかることによって、今まで気づかなかった感動を与えてくれたり、さらに輝きを増したりするようなことがあって、それは本来は映画の副産物のようなものなのかもしれないけど、僕が映画に何よりも求めているのは実はそういう瞬間なのかもしれない。作り手自身が音楽に救われた経験があって、だからこそ音楽への愛情と敬意に満ちている。僕はそんな映画が好きだ。トラベラーズノートも、音楽が聴こえてくるようなノートでありたいなと思う。
 
映画といえば、9月3日公開の映画『アンナとアントワーヌ』からお声がけいただき、キャンペーンに協力いたしました。インドを電車で旅する風景が美しい映像で描かれている素敵な映画です。こちらは、主人公が映画音楽家。あと、もう一本音楽がらみの映画でおすすめのものがあるのですが、これはまた後日。 いや〜映画と音楽ってほんとうにいいですね!
 
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