2018年11月 5日

「OZの女子旅EXPO」に参加しました。

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女子という言葉に、恐れと憧れ、嫌悪と好意の入り混じった複雑な感情を抱いてしまうのは、やっぱり思春期の頃の記憶に起因するのだろう。思い切って告白してしまえば、中学生の頃の僕は同級生の女の子とまともに会話ができなかった。授業中に机から落とした消しゴムを拾ってもらってもありがとうすら言えないくらいで、だから影でコソコソと悪口を言われているんじゃないかと、被害妄想のような気持ちにもなっていた。
 
かっこよくもないし、スポーツも得意でないし、人前で明るく振る舞える性格でもなかったから女の子から積極的に話しかけられることもない。男兄弟しかいなかったから、同年代の女の子の扱いにも慣れていない。思春期であれば当然女子に興味があるのに、そんな性格を変えていく努力もしなかった。女子はそんな僕に当然興味を持つこともなく、教室には存在しないものとして扱っているものだと思っていた。その頃浸っていた音楽や文学では、男女の恋愛は最も大きなテーマのひとつだったのに、憧れではあったけど、恋愛なんて手の届かない遠い夢の世界の出来事だと思っていた。
 
その後、高校、大学と進むとリハビリのように少しずつコミュニケーションをすることで、女の子という存在に慣れていった。でもいまだに、例えば娘から「お父さんは女の子の気持ちがさっぱり分かってない!」なんて言われると、中学生の頃のことがぼんやりと頭に浮かんで、軽く自己嫌悪になり落ち込んだりする。
 
前置きが長くなってしまったけど、先週末はよりみちノートでお付き合いさせてもらっているオズマガジンさんの「OZの女子旅EXPO」というイベントにトラベラーズファクトリーとして参加した。女性読者を対象にした雑誌オズマガジンと、女性向けの旅のポータルサイト、オズモールのイベントだから、女子という言葉がタイトルに入るのはまったく自然なのだけれど、個人的には女子という言葉にちょっとした緊張感を抱きながらイベントを迎えた。
 
今回のイベントでは、オズマガジン統括編集長の古川さんがはじめてプロデュースを行うということで会場には女性だけでなく男性も入れるようになり、さらにオズマガジンらしい視点での47都道府県の旅のテーマの紹介だったり、出店ブースもALPS BOOK CAMPでお世話になった松本の書店、栞日さんに、JAMCOVERさん、甲斐みのりさんのセレクトショップなどオズマガジンらしいセレクトで、作り手の想いと温かさを感じるイベントになっていた。僕自身も、トラベラーズノートをはじめて手にするという方に接客をする機会にも何度か立ち会えて、とても楽しいイベントになった。
 
イベントでは初日は真心ブラザーズ、2日目はサニーデイ・サービスのボーカル、曽我部恵一さんのライブも開催された。こちらは女性限定のライブだったけれど、古川さんにわがままを言って関係者席で拝見させてもらった。
 
どちらも自分が好きなミュージシャンだから来てもらったんです、と古川さんは言っていたけど、僕も真心ブラザーズは学生時代から聴いていたし、サニーデイ・サービスもお気に入りのバンドだし、このライブはとても楽しみにしていた。女性ばかりの会場の後ろでひっそりと遠慮がちに立ちながらも、音楽が始まれば男も女も、お客様も関係者もなく、会場みんなと一体となってうっとりと彼らの音楽に耳を傾けていた。真心の「サマーヌード」に曽我部さんの「週末」など、お気に入りの曲も聴けて、胸がキュンキュンする幸せな時間を過ごすことができた。
 
相変わらず女心は分からないかもしれないけど、女性がいっぱいの会場でもイベントを楽しむことができるようになったのは、中学生の頃の僕から考えると、だいぶ進歩したような気もする。
 
話は変わりますが、今週末はトラベラーズファクトリー中目黒で、The Superior Labor さんのカスタマイズオーダーイベントを開催します。中目黒で常設しているSHOP IN SHOPもExtended Versionとして拡大し、扱いアイテムも広がります。こちらもぜひ!
 
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