2018年12月25日

ヘルシンキとコーヒーとクリスマス

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先日のマドリードへの旅の帰り、飛行機の乗り継ぎがフィンランドのヘルシンキということで、せっかくなのでヘルシンキに降り立ち、1日だけ街を歩いてみることにした。
 
この季節のヘルシンキの夜は早く15時を過ぎると日の入りがはじまる。空港からホテルに入り街へ出ると、まだ夕方17時くらいなのに、暗い夜の空からはしんしんと雪が降り落ちていた。明るく陽気なマドリードから来ると、この気候の差が国民性や文化の違いを作っていることがより実感して想像できる。
 
トラムに乗って街の中心に出ると、まず向かったのは、ヘルシンキ最大の本屋さん、アカデミア書店。ここは、20世紀を代表する建築家でデザイナーでもあるアルヴァー・アアルトが設計した建物で、2階にはその名を冠したカフェ・アアルトもある。アアルトの家具やライトで揃えられた素敵な内装のカフェに入ると、早速コーヒーをオーダーした。すると、日本の喫茶店と同じように、ドリップコーヒーに、砂糖とミルクが添えられて出ててきた。
 
いままで訪ねたヨーロッパの国では、コーヒーと言えばエスプレッソが一般的で、薄めのコーヒーを飲みたければ、それをお湯で薄めたアメリカーノを頼まないといけない。だけどあまり美味しくない。マドリードでは、エスプレッソに少しミルクを足したコルタドをいつも飲んでいた。慣れればエスプレッソも美味しいのだけれど、やっぱり慣れ親しんだコーヒーの味は嬉しい。優しく胃の中に染み込んでいった。
 
その軽く爽やかなな飲み口は、そういえば同じ名前のアアルトコーヒーの庄野さんが淹れてくれるコーヒーを思い出させてくれた。庄野さんは、アアルトのデザインした子供用の椅子の素晴らしさに感動して、アアルトコーヒーと名付けたと言っていたけれど、その不思議な共通点を知ってちょっと嬉しくなった。
 
フィンランドは、一人当たりのコーヒーの消費量が最も多い国のひとつとのこと。その後もいくつかカフェでコーヒーを飲んだけど、どこも浅煎りなのに酸味を抑えたすっきりした飲み口のコーヒーで、さらに名物のシナモンロールを筆頭に美味しいお茶受けもあるし、のんびりできる素敵な空間のカフェも多くて、コーヒー好きには居心地の良い街だった。
 
その後は、ガラス食器で有名なittalaの工場だったアラビアファクトリーや、アアルトなど北欧の家具が並ぶ家具屋さんアルテック、マリメッコ、デザイン博物館などを訪れて、たくさんの刺激を受けてきた。あまり時間がなかったので、行きたいところの半分も行けなかったけど、街をくまなく網羅しているトラムは便利だし、コンパクトな範囲に見所が詰まっていて、はじめてでたった1日の訪問だったけど、充分満喫することができた。
 
12月だったということもあり、街はクリスマスの装飾で飾られていたり、クリスマスマーケットが開催されていたりして、クリスマス気分も満喫できた。ヘルシンキ最大のデパート、ストックマンのショーウィンドウには、雪の街の夜空にトナカイに引かれたソリに乗ったサンタクロースが走るジオラマが飾られていて、子供達が並んで興味しんしんで眺めていた。その姿を見ると、自然と心が温かくなり、なんだか懐かしい気持ちになった。やっぱりクリスマスがいちばん嬉しいのは子供たちなんだなあ。
 
そういえば今日はクリスマスですね。うちの子供はすっかり大きくなって、家でクリスマス気分を感じることも少なくなってしまったけど、すべての子供たちが幸せなクリスマスを過ごすのを願います。メリークリスマス!
 
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