Global Gathering 2019 at Nagareyama Factory
トラベラーズノートのリフィルやスパイラルリングノート、他にもミドリの便箋やメモなどを作っているデザインフィル流山工場は1964年に建てられた。この場所には、55年間紙製品を作り続けてきたことで、引き継がれてきたさまざまなノウハウがあり、熟練の技を持つスタッフがたくさんいる。
場内には、最新の巨大なオフセット印刷機から、壊れたら修理を繰り返して永く使い続けてきた機械までさまざまな機械が並んでいる。それらを職人たちが、操縦桿を握るように操作して紙に印刷したり、切ったり、折ったりするのはかっこいいし、眺めていても楽しい。
ましてや、そうやって作られたものが、自分たちが好きで使っているものであれば、なおさら楽しいと思うし、実際に作る工程や作っている人を知ることで、よりモノに対する理解を深め、愛着を持って使うようになる。さらに、工場のスタッフにとっても、実際に愛情を持って使ってくれたり、販売する人たちと会うことは、嬉しいはず。
そんな思いがあって、海外のトラベラーズノートの代理店の方に年に一度集まってもらい、情報交換をしたり、方針を共有するためのイベント、グローバルギャザリングを今年は流山工場で開催することにした。
どうせやるなら、みんなに楽しんでもらいたいと、工場長をはじめ、スタッフも全力で支援してくれて、普段の仕事を止めて、この日は印刷も製本もトラベラーズ関連のものを中心に流してくれた。
トラベラーズノートのリフィルを作る製本機は、見学のタイミングにあわせて、このイベントのためのオリジナルリフィルを製作。できたてほやほやのリフィルに、自分の好きな色の箔を選んで、その場で箔押しをして参加者のみんなに配った。さらに見学が終わると、工場の広い食堂を使い、トラベラーズカンパニーの定番イベント、スパイラルリングノートバイキングを開催。また、ブラスクリップの工場から職人さんに来てもらいクリップの刻印に好きな色を入れることができるカスタマイズイベントも実施した。
ここでも何度か書いているけど、もともとスパイラルリングノートバイキングは、流山工場で社内イベントではじめたのが最初だった。みんなで集まって、取り寄せたアアルトコーヒーを淹れて、カフェごっこのようなこともした。その時の経験から刺激を受けて、自分たちの基地となる場所を作ろうと決心したし、その名前をトラベラーズファクトリーとしたのは、流山工場に対する敬意からだった。トラベラーズファクトリーは、流山工場からはじまったという思いもある。
だからこそ世界各地でトラベラーズノートを販売してくれている仲間が、ついに始まりの場である流山工場に集まり、工場の機械をワクワクしながら眺めていたり、あの頃と同じようにノートバイキングを楽しんでいる姿を眺めるのは、僕らにとってもとても嬉しく、感慨深いものがあった。
最後には、ビールとちょっとした食事も用意してパーティーを行なった。今は、YouTubeやSNSでは世界中で起こっている光景を動画や写真で見ることができるし、簡単に世界中の人たちと繋がることができる。それはそれで素晴らしいことだとは思うけど、こうやって世界中の人たちがひとつの場所に集まり、ものづくりの現場を見たり、顔を合わせて話すのはやっぱりネットでは得られない感動や体験を与え、より深い人と人の繋がりを作ってくれるのだということをあらためて実感できた。みんな、旅とノートを愛する人たちだしね。
イベントが終わろうする頃、参加者の一人が声をかけて、みんなのトラベラーズノートを一箇所に集めた。そして、自然と手慣れた一人が上手に積み上げて、タワーを作った。いつ誰がはじめたのか僕らも知らないのだけれど、こういったギャザリングイベントの最後に、トラベラーズノートを積み上げた写真を撮ることが恒例になっている。食堂の壁に飾られている世界地図をバックに、みんなのトラベラーズノートを積み上げて記念撮影した。それもなんだかトラベラーズノートらしいなあと思った。
次はぜひ一般の方に参加してもらえるようなイベントをここで開催したいと思うので、工場長はじめ工場の皆様、その節はよろしくお願いしますね。皆様もぜひ楽しみにしてください。