tokyobike TRAVELER'S COMPANY
先週の金曜日。
閉店間際にトラベラーズファクトリーに行き、しばらく待っていると「お待たせしました〜」との声とともに、楽しみにしていたものがやってきた。もちろん、お寿司の出前でもないし、最近流行りのウーバーイーツでもない。Tokyobike中目黒の店長、深田さんがスタッフと2人でトラベラーズバイクを持ってきてくれたのだ。フレームには丁寧にスポンジが巻かれていて、まさに出来立てほやほやといった感じ。
お店の中にいれると、さっそくそれらを取り外し、トラベラーズバイクの全貌が目の前に現れた。マット調の深めのオリーブに塗装されたフレームには、tokyobikeのロゴとあわせてトラベラーズカンパニーのロゴが記されている。さらにフレームパッドとしてトラベラーズノートの革が巻かれている。自転車と顔となる正面に貼られているヘッドバッジは、無垢の真鍮にトラベラーズノートの地球のロゴが刻印されたオリジナルバージョン。思わず「みんなでかっこいい〜」と声をあげた。
それまで2輪といえばオートバイだった僕が、自転車で遠出をするようになったのは、2013年に手に入れたtokyobikeがきっかけだった。この年、会社からある賞をいただき、金一封としてみんなで10万円ともらった。その10万円をどうしようかと考えて思いついたのがトラベラーズファクトリー用にtokyobikeを1台買おうといことだった。
早速、tokyobikeに連絡してみたところ、だったらコラボレーションモデルを作りましょう、と声をかけていただき、最初のトラベラーズバイクが生まれた。あわせて、僕らもパスポートサイズのリフィルなどのコラボレーションアイテムを作り、それらを双方の店で販売した。その時、僕も個人的にトラベラーズバイクを購入したのだ。
あれ以来、トラベラーズファクトリー中目黒のロフトには初代トラベラーズバイクが飾られ、僕自身も、自宅から駅までの道を毎日走ることからはじまり、東京から盛岡まで3年がかりで走ったり、湘南、山梨、霞ヶ浦へ行ったり、日常の足として、旅の道具として、たっぷり楽しませてもらっている。トラベラーズバイクという新しい道具を手にいれることで、日々の暮らしに変化がうまれ、たくさんのあたらしい体験を与えてくれた。
あれから6年。タイヤやブレーキパッドは何回か取り替えながら毎日活躍している。だけど何度か転倒したし、乗り方も荒かったせいか、傷も増え、フレームやペダルにも少し歪みがでてしまってもいる。そんなある日、tokyobikeさんよりご連絡があり、谷中のお店が10周年、中目黒のお店が5周年を迎えるということで、6年ぶりにコラボレーションをしませんか、というお誘いをいただいた。僕らは喜んで「ぜひ!」と答え、早速打ち合わせをはじめることになった。
トラベラーズノートと同じように、旅の道具でありながら、同時に日常にも旅気分をもたらしてくれるような自転車でありたい。そんな思いでフレームの色を選ぶことからはじまり、ハンドルにサドル、キャリアなどのパーツもtokyobikeスタッフのアドバイスを受けながら、みんなで選んだ。
例えば、スピード重視ではなく、気軽にのんびり走りやすいように、ハンドルは手前に少しカーブがはいったゆったりしたタイプを選んだり、街乗りだけでなくツーリングにも使えるようにキャリアをつけ、そのデザインもシンプルで質実剛健なものを取り付けてもらったりした。さらにサドルは英国ブルックスの本革製で、ベルやクランクボルトキャップは、無垢の真鍮製と、素材や乗り心地もトラベラーズらしいものなった。
今回、一番嬉しかったのは、フレームとヘッドバッヂにロゴを入れてもらったこと。乗り心地には関係ないのかもしれないけど、僕らにとってはトラベラーズのロゴが入ったtokyobikeなんて、夢のようなことだった。
そうやってできあがった二代目のトラベラーズバイクを、Tokyobike中目黒店長の深田さんが、トラベラーズファクトリーの天井からワイヤーで吊るして、店内に飾るのを手伝ってくれた。
天井からぶら下がっているトラベラーズバイクは、自転車で夜空に飛び立つ映画「ET」のワンシーンを連想させ、ジョン・ウィリアムスによるあの壮大なテーマソングが頭の中に鳴り響いた。「かっこいいなあ」その姿を眺めながらあらためてそれぞれが呟いた。
トラベラーズバイクは中目黒にしか置いてませんがtokyobikeとのコラボレーションで作ったパスポートサイズリフィルとtokyobikeが刻印されたブラスタグは、トラベラーズファクトリー各店で販売中です。オンラインショップでは7月9日より発売します。また、Tokyobike 谷中、中目黒、高円寺、豪徳寺でも発売しています。トラベラーズバイクは、tokyobike 谷中と中目黒でオーダー受付中です。もちろん私はオーダーします。楽しみだなあ。