2019年7月22日

分断より共有

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それまでも海外を旅することはあったし、仕事で海外に行くこともあったけれど、トラベラーズノートの仕事をするようになって、世界をより近くに感じるようになった。例えばトラベラーズノートのイベントで海外に行き、そこに足を運んでくれた人たちと話をすると、トラベラーズノートを通じて、同じ価値観を共有できる。その時には、まるで知らない土地で同郷の人に出会った時のような、安心感を感じる。
 
トラベラーズノートは、日本においても誰もが知るようなモノではないし、人によってはどうしてこんなものがいいのだろう、と思われてしまうようなモノでもあると思っている。前にも書いたけれど、仮にその割合を考えると、こういったモノに興味を持って使ってくれる人は100分の1くらいだろうと思っている。ただ、その100分の1は、日本のみならず、海外にもいるかもしれないということが分かった時に、一気に世界が広がり、同時に世界を身近に感じるようになった。
 
今までヨーロッパではパリ、ロンドン、ベルリン、アムステルダム、マドリード、アジアでは、ソウル、香港、台北、上海、アメリカでは、ロサンゼルス、ニューヨークでイベントを開催してきたけれど、どのイベントでも足を運んでくれた人たちは、みんな目を輝かせて、僕らに自分たちのトラベラーズノートを見せてくれた。さらに、このノートを使うことで毎日の暮らしが変わったとか、この寛大で温かく優しい佇まいがいいとか、このノートは自分の相棒だとか、まさに僕らが思うトラベラーズノートの抽象的だけどこうありたいと思うことを、彼らの言葉で僕らに伝えてくれた。
 
それぞれの国の歴史や文化、受けてきた教育、政治的な背景とは関係なく、トラベラーズノートを作った僕らに敬意を示してくれて、同じ価値観を共有できる仲間として僕らに接してくれたし、僕らもまた異国で仲間と呼べる人たちに出会えたことが嬉しかった。トラベラーズノートという一つの価値観が軸にあることで、国籍を超えて理解しあえることがたくさんあった。
 
旅の楽しみは、文化の違いを発見することでもある。だから旅が好きな人は、その違いを発見し、楽しむことが得意な人が多い。文化の違いを楽しむことができる人は、同時に自分たちの文化を大切にしている。世界にはたくさんの文化や考え方があるから旅をする意義がある。違いを尊重し、理解しあう。そのために共有できる何かがあると世界はもっと近くなる。
 
インターネットやSNSは、心の声を世界にさらし拡散することで、多くの分断を生んでいるけれど、同時に好きを拡散することで、多くの価値観の共有を生み出している。トラベラーズノートを通じて、世界中の人たちと好きを共有する楽しさを知ってしまった僕らは好きの共有を支持したい。
 
選挙のために、かつて子供たちが通っていた小学校へ行く道すがら、そんなことを考えていた。
 
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